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iemiru コラム vol.156

羽アリが見つかったら近くにシロアリの巣ができている可能性大!家を守る対策方法を教えます!

羽アリとはいったい何?

家のメンテナンスの上で、木造住宅にお住いの方なら怖いのが“シロアリ”です。 特に4~7月にかけては『羽アリの群飛』が全国各地で見られ、お住いの家に羽アリが出たら「家がシロアリに食べられてしまうかも!」と不安になる方も多いのではないでしょうか。 そこで、この記事では羽アリやシロアリに対する正しい知識や、対策方法をご紹介します。

シロアリが新しい巣を形成するために、羽を付け成熟した巣から飛び出す際の姿

先ほど4~7月が羽アリの群飛が全国各地で見られると書きましたが、なぜ羽アリたちはこの時期に群飛をするのでしょうか? その理由は、新しい巣を形成するために、羽を付けた一部のシロアリたちが新しい巣を作るために飛び出すからです。 シロアリには“コロニー”と呼ばれる集団生活を行う巣があり、そこで1年を通じて女王アリが産卵を続けています。 1年間子育てをし続けた巣はやがて満員に達すことで新たな巣が必要になり、成熟した10~20%のシロアリが一斉に飛び立ちます。これが羽アリの群飛の正体です。

羽アリが見つかるのは、新しい巣が近くに形成されるということ

羽アリの群飛は新しい巣を作るために行われているので、羽アリが見つかるということは新しい巣が近くに形成されているということです。 それだけでも怖いですが、さらに怖いのが、すでに巣がある場所の近くに巣を作るので、発見された場所の近くにはもう巣が形成されている可能性があります。 そのため家の近くで羽アリが見つかってしまった場合は、新しく巣を作っているだけではなく、すでに家の近くにはシロアリの巣が形成されてしまっているという可能性がとても高いです。

日本に生息するシロアリの種類

日本には合計17種類ほどのシロアリが生息していると言われていますが、その中でも特に被害件数が大きいのが、“ヤマトシロアリ”と“イエシロアリ”の2種類です。

4月・5月に羽アリとなるヤマトシロアリ

1つ目が“ヤマトシロアリ”です。主に、4~5月の雨上がりの昼間に巣を求めて羽アリが群飛します。シロアリが嫌いな、寒冷地である北海道以外の日本全国に生息しており、日本のシロアリによる被害数は1番多いです。 気候や加害の進行など、環境の変化に対応して移動する流動的な巣作りを行い、特に加工した巣を作らずに木材が巣を兼ねています。 乾燥に弱く湿った木材を特に好み、建物の株材や台所、浴室やトイレなどが主な加害対象です。 体の色は背中の一部と足先は黄色、他はすべて黒色で、黒アリと見分けがつきにくいのが少々厄介になります。

6月・7月の夜に羽アリとなるイエシロアリ

もう1つが6~7月の夜に羽アリとなり群飛する“イエシロアリ”です。 イエシロアリは他のシロアリとは違い、建物の下や地中に特別に加工した、大きな塊状の巣を形成します。 湿った木材を好みますが、それだけではなく、乾燥した木材にもわざわざ水を運んできて湿らせて巣を作ることが、被害を大きくする要因です。 さらに、床下コンクリートや鉄骨造もイエシロアリは関係なく侵入してきます。 巣にいる頭数が他のシロアリに比べ多く、その数は100万匹にも及ぶため食害のスピードが速く、被害も大きくなりやすいです。 また、とても攻撃的な性格をしているので、嚙み付いて白い特殊な体液を分泌します。

シロアリはどんな被害(蟻害)を起こすの?

では、大変恐れられているシロアリですが、実際にどのような被害を起こすのでしょうか?

木材を食い荒らし、建築物の歪み・傾きなどの不具合を引き起こす

シロアリによる主な被害は建築物の木材への食害です。 食害とは、木材をシロアリたちが食い荒らすことで、建築物の歪みや傾きなどの不具合を引き起こすことです。 なぜ木材を食い荒らすのかというと、シロアリが木材に含まれている“セルロース”を栄養としているためです。 まさに木造住宅はシロアリにとって大好物が集まった“お菓子の家”のような夢の家になります。

基礎部分が被害にあうと、震災で倒壊しやすくなる

シロアリによる被害を受けるところは、家具やダンボールなども対象になりますが、主な建築物の食害箇所は、柱や床束、土台などの木材などです。 これらは建築物を支える大事な基礎部分ですので、この基礎部分が被害に遭ってしまうと震災で倒壊しやすくなります。 地震が発生しやすい日本において、特にシロアリの被害には慎重にならなくてはいけません。

シロアリの特徴

人間よりも歴史の長いシロアリは、長年住宅を恐怖に陥れていますが、どのような特徴があるのでしょうか?

急速に繁殖する

シロアリの繁殖力は侮れません。 一度住宅に侵入してしまえば一年を通じて暖かく沢山の餌があり、さらに天敵はほとんどいない、まさに楽園のような場所に住み続けることが可能です。 そんな環境で育ったヤマトシロアリは、初めは500頭ほどでも、3年も経てば4万頭ほどに繁殖します。 さらにイエシロアリに関しても、構造が緻密に計算された、巨大な塊状の巣を形成し、数年間で10万頭の大家族が形成されます。 もちろん巣の規模にもよりますが、シロアリは1日数百個~数万個の卵が生まれていますので、このような急速な繁殖力がシロアリの恐ろしい特徴です。

黒アリと比べて羽が落ちやすく、胴体が寸胴型

羽アリといってもシロアリだけではなく黒アリもいます。この2種類の大きな違いは、黒アリと比べてシロアリはとても羽が落ちやすく胴体が寸胴型であることです。 実はシロアリは着地するだけで、羽がぽろっと落ちてしまいます。そのためシロアリの発生場所の周辺には、羽がバラバラと落ちています。 ヤマトシロアリは成熟すると胴体が黒くなり、羽が取れた状態だと黒アリと見分けがつきにくいです。胴体が寸胴型かどうかをしっかりと確認しましょう。

表皮の乾燥を嫌うため、主に地下や土壌に住んでいる

シロアリは乾燥に弱く、湿度のある場所を好みます。 そのため乾燥した表皮部分には住まずに、湿度が十分に保たれている地下や土壌に住んでいることが多いです。

湿った場所や湿った木材などに生息し、食害を与えている

地下や土壌に主に住んでいますが、住宅内の湿った場所や木材に生息し食害を与えます。 その被害は、建築物の基礎部分である柱や床束だけでなく、新聞紙、衣類、家具、畳などもにもおよびます。 「シロアリによって家中がボロボロになってしまった」という話も珍しくありません。

木材以外の断熱材や金属ケーブル、コンクリートの基礎さえ食べる

木材が主に食害を受けますが、恐ろしいことに木材以外の断熱材や金属ケーブル、コンクリートの基礎さえも食べてしまいます。 それは“蟻道”というシロアリの歩く道、いわば侵入口を作るためです。 シロアリの体長であれば、わずかな隙間で侵入することができますので「我が家の基礎はコンクリートだから安心」と思っている方も十分に注意しなくてはなりません。

家を建てる際の対策

シロアリの特徴は分かりましたが、家を建てる際にどのように対策をすればいいのでしょうか?

基礎部分には継ぎ目を作らないようにする

通常、コンクリートは基礎部分のベースとなる下部と、立ち上がり部分の2回に分けて作られます。その基礎部分となる継ぎ目に、ミリ単位の本ほどのわずかな隙間さえあれば、シロアリはそこから侵入し、食害を引き起こすことが可能です。 そのため、基礎を作る際には絶対に継ぎ目を作らないように業者にお願いしましょう。 しかし、高い技術を要する場合がありますので、必ず全ての業者ができるわけではありませんのでご注意ください。

土台や柱には薬剤で木材を加工する

シロアリによる住宅への食害で最も怖いのが、土台や柱などの基礎部分への食害です。 この基礎部分が食い荒らされてしまうと地震が起きた時に倒壊する恐れがありますので、基礎部分の木材は必ず木材用防腐防蟻剤で加工しましょう。 加工することによって、侵入された後も住宅を守ることができます。

床下には点検口を設ける

床下に潜るための点検口の設置はもはや欠かせません。 人が入って点検をするために、動き回るだけの床下の高さも必須です。 こうすることにより、定期的な点検が可能になることはもちろん、床下が高いと風通しが良くなり家全体が乾燥しやすくなります。シロアリが好む湿気をある程度なくすことができるので一石二鳥の効果があります。

住み始めてからの対策

「住み始めてからも対策しなくちゃダメなの?」と思った方も多いと思いますが、シロアリ対策は住み始めてからも大変重要になります。

頻繁に通気、換気を心がける

シロアリは湿気の多い場所を好み住み着きます。 そのため、家に湿気を溜め込まないことが、シロアリ予防の第一歩であり欠かせないポイントです。掃除をするときはすべての窓を開けて換気をしたり、それ以外にもこまめに風通しをよくしたりすることを心がけましょう。

シロアリの駆除剤を混入した餌を撒く

駆除剤が混入した餌を撒き、シロアリに食べさせて駆除する方法もあります。 これは一般的にベイト工法と言われるもので、シロアリの特徴を活かした方法です。 シロアリはいい餌を発見すると仲間を呼び、その餌を家族の待つ巣に持ち帰る特徴があります。そして、その餌を食べた巣内のシロアリは撲滅するという仕組みです。 駆除剤をしみこませた紙のエサが入ったものを、シロアリの蟻道となる土の上に置いたり、地中に埋めたりして、シロアリが餌を食べたり巣に持ち帰ったりするのを待ちましょう。

防蟻剤の問題点とは?

シロアリ対策としてとても万能に見える防蟻剤ですが、実は防蟻剤にはいくつか問題点が隠れています。

多くが5年しか効果がもたない

現在、木造住宅の防蟻剤として認められているものは、アレスリン(合成ピレスロイド)、イミダクロプリド(ネオニコチノイド)、シプロコナゾール(トリアゾール)などがありますが、このどれもが持続効果が短いです。 実際に、平成13年の日本しろあり対策協会通達には「薬剤の持続効果は最大で5年間」「5年を目処に再処理を行う」と明記されています。 処理して一安心というわけではなく、5年後にはしっかりと再処理しなくては、シロアリへの対策がされていないことになるので、その住宅はもはやシロアリにとっては餌の宝庫となってしまいます。

再処理できない箇所がある

では、「5年毎に再処理すればいいんでしょ?」と思った方もいらっしゃるかと思いますが、残念ながらそんなに簡単ではありません。 再処理を前提に作られた防蟻剤ですが、実は断熱材が詰まっている壁内部の再処理は難しく、床下などの再処理可能な場所もおろそかになってしまいます。 シロアリは断熱材さえも食い荒らして、壁内部を巣にしてしまうケースもとても多いです。 もちろん再処理は必須ですが、全てを防ぎ切れるわけではありませんので注意してください。

人体に害のある薬剤もある

現在多く使用されている農薬系の防蟻剤は、数年かけて蒸発や揮発をして住宅中に拡がっていき、それを住人が吸い込んでしまい人体に害が出てしまうケースがあります。 頭痛やめまい、かゆみなどを引き起こす「シックハウス症候群」は、防蟻剤による害の一例です。 せっかく家族や住宅のために防蟻剤を使用したにも関わらず、このような悲しい被害が出てしまうことも頭に入れておきましょう。

人体に害のない防蟻方法

新たな生活をはじめるための家が、防蟻剤により家族に害を与えてしまうのはとても悲しいですよね。しかし、人体に害がないようにできる防蟻方法がありますのでいくつかご紹介します。

防蟻シートを用いる

人体に被害のない「無公害防蟻工法」というものが開発されています。 それは、安全性の高い薬剤や、植物から抽出した成分を主とする“防蟻シート”を1階床パネル下面に張るという工法です。 これは、従来のシロアリを「殺す」対策ではなく、「寄せ付けない」対策として注目を集めています。薬剤の土壌散布は行わずに、工場であらかじめ処理を行うので、建築現場での薬剤使用はほとんどありません。これにより、土壌汚染はなく、防蟻剤が蒸発して体内に侵入する恐れもなく、安全性が高い防蟻が実現されています。

ひのきやヒバなど防蟻効果のある天然木を用いる

ひのきやヒバにはシロアリが嫌がる成分が含まれています。 シロアリが寄りにくい自然由来の成分で、人体には影響がなく安心です。

もし自宅でシロアリや羽アリを見つけてしまったら

シロアリを見つけてしまったときはどうすればいいのでしょうか? 大半の方々は、
・市販の殺虫剤を使用して撲滅
・シロアリや被害箇所や蟻道ごと、掃除機で吸引
などをしてしまうはずです。
しかし、これらは間違ったやり方ですので絶対にやめましょう! ここでは、シロアリを発見したときの正しい対処法をご紹介します。

自力で撲滅させようとせず、迅速に業者に依頼する

シロアリの特徴として挙げられるのが、“警戒心の強さ”です。 そんな警戒心の強いシロアリたちは、蟻道に仲間の死骸があったり、いつもと何か違う様子があったりしたら、すぐに巣ごと移動してしまいます。 これはせっかくシロアリを駆除するチャンスなのにかなりもったいないです。 そのため、自力での駆除しようとはせずに、迅速に業者に依頼しましょう。

アリの種類を特定するために、数匹だけ捕まえておく

業者に依頼する前に、アリの種類を特定するために、羽アリを数匹だけ捕まえておきましょう。 羽アリといっても、建築物に被害を与えないクロアリである可能性も十分にあります。 そのため業者とのやりとりがスムーズに進むよう、数匹だけセロハンテープなどで捕まえておきましょう。

被害個所は現状維持しておく

先ほども書いたように、シロアリは警戒心がとても強いため、少しの変化にも敏感に反応します。 シロアリに変化を悟られないように、被害箇所はもちろん、蟻道などもそのままにしておいて業者の到着を待ちましょう。

羽アリが出たら要注意!

定期的な点検と対策でシロアリから家を守ろう

羽アリの発見は、実は住宅に大きな害をもたらすシロアリ発見のサインでもあります。そんなシロアリが家の周辺や室内で出たら要注意です。 シロアリが巣を作ろうとする前に対策することはもちろん、防蟻剤は長く保ちにくく、シロアリは発見もしづらいため定期的な点検、対策をしっかり行って家を守りましょう。 対策の際にも、人体に被害のあるものを使ってしまっては元も子もありませんので、人体に被害のない安全性が高い対策をすることが重要です。

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