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iemiru コラム vol.180

「地鎮祭」とは?準備から費用までの全てがわかる!

家づくりの時によく聞くフレーズ「地鎮祭」とは?

工事の安全と無事な完成をお祈りする儀式

家づくりの時によく聞くフレーズに「地鎮祭」があると思います。「じちんさい」と読むほか「とこしづめのまつり」と読むこともあります。耳にしたことはあっても、実際にどのようなことをするのかわからないという方も多くいるでしょう。地鎮祭とは、建物を建てる際に工事の安全と無事完成をお祈りする儀式のことです。また、「鎮」という漢字が「しずめる」「落ち着かせる」という意味を持つ通り、これから工事を始め建物を建てることを土地の神様に承諾してもらう意味も持ちます。古くからある儀式で、その歴史は、わかっているだけでも飛鳥時代に遡ります。当時から日本には、それぞれの土地には神様がいるという考えがあり、信仰してきました。その精神を受け継ぎ、今でも住宅に限らず多くの建物において建設を始める前に地鎮祭を行っています。 本記事では、地鎮祭の準備の仕方からかかる費用まで丁寧に解説していきます。これから家を建てようと考えている方は、ぜひこちらを読んだ上で地鎮祭についての理解を深めて臨みましょう。

地鎮祭はいつ行うの?

竣工検査の前

地鎮祭は施主となる人が土地を購入した後、工事に着手する前に行います。同日に着工する場合などは、工事着工を祝う起工式と同時に行われる場合もあります。

一般的には大安・先勝・友引など吉日の午前中

一般的には、大安・先勝・友引など吉日と呼ばれる日の午前中に行うのが、縁起が良いとされています。また、大安・友引・先負の午後も良いとされています。ただ、これらの日取りはあくまで縁起が良いと言われている目安なので、都合がつかない場合は調整が可能です。

地鎮祭はどのように行うの?

あらかじめハウスメーカーや神主に相談しておこう

地鎮祭に出席するのは、施主、神職、施工会社、工事関係者です。家の建設に関わるすべての人が参加するともいえます。初めて地鎮祭に臨む方は、あらかじめ施工会社や神職に相談しておきましょう。地鎮祭の準備としては、まず施工会社と地鎮祭の日程等の相談を行い、次に神社に地鎮祭の依頼を入れ、そして準備物を揃え当日に臨みます。 神社への予約は、地鎮祭を行う1ヶ月前には済ませておいたほうが良いでしょう。飾りつけ等の手配や準備は、慣れている施工会社に依頼することが多いので教えてもらうことができます。また、会社によっては、住宅の新築価格に地鎮祭のセット料金が含まれていることもあるので確認が必要です。

一般的な地鎮祭の流れ

地鎮祭は、一般的には土地の四隅に青竹を立て、その間をしめ縄で囲って祭場として行います。全体的な流れは、まず土地の神様に捧げ物をし、お祓いや祝詞をあげた後、施主、施工会社が初めて鍬や鋤を入れ、工事の無事を祈ります。詳細について、以下説明していきます。

(1) 入場及び開式の辞

祭壇に向かって右側が施主と一般参列者、左側が施工会社、工事関係者です。全員が揃ったところで、司会者が儀式の開始を宣言します。

(2) 修祓の儀(しゅばつのぎ)

最初に、祭壇、土地、参列者をお浄めします。神職がご神前、工事をする土地、参列者の身を浄めるためのお祓いをします。司会者のアナウンスで起立し、神職がお祓いをしている間は少し頭を下げ、アナウンスで着席します。

(3) 降神の儀(こうしんのぎ)

神職が神様を祭壇にお迎えします。こちらも同様、司会者のアナウンスで起立し、神職が神様をお迎えしている間は少し頭を下げ、アナウンスで着席します。

(4) 献饌(けんせん)

神様に山や海、野の幸などお供え物を差し上げます。着席したまま、静かに待ちます。

(5) 祝詞奏上(のりとそうじょう)

神職が神様に工事の安全を祈る祝詞(のりと)を読み上げます。司会者のアナウンスで起立し、神職が祝詞を読み上げている間は少し頭を下げ、アナウンスで着席します。

(6) 切麻散米(きりぬささんまい)

神職が工事を行う土地の四隅に神酒、米、塩を撒いて清めます。着席したまま、静かに待ちます。

(7) 地鎮の儀(じちんのぎ)

その土地で初めて草を刈る「刈初(かりぞめ)」、初めて土を起こす「穿初(うがちぞめ)」、初めて土を均す「土均(つちならし)」を行い、最後に神職が鎮め物を納めます。施主の担当があるので後ほど詳細を説明します。

(8) 玉串奉奠(たまぐしほうてん)

参列者が玉串を神前に供え、神様への崇敬をあらわします。施主だけでなく家族も行うもので、後ほど詳細を説明します。

(9) 撤饌の儀(てっせんのぎ)

神職がお供え物を下げます。着席したまま、静かに見守ります。

(10) 昇神の儀(しょうじんのぎ)

神様にお帰りいただきます。全員起立して拝礼をします。

(11) 閉式の辞(へいしきのじ)

地鎮祭の終了を告げます、参列者は全員起立して一礼します。

(12) 神酒拝戴(しんしゅはいたい)  別名:直会(なおらい)の儀

お神酒をいただきます。施主と家族で用意した湯呑を参列者に手渡し、祭壇に上がっていたお神酒を注ぎます。お神酒が全員に行き渡ったら神職に乾杯の音頭をお願いし、いただきます。

これが地鎮祭の一連の流れです。では、施主にとって特に重要となる地鎮の儀と玉串奉奠について、流れを説明します。

特に重要な「地鎮の儀(鍬入れの儀)」と「玉串奉奠」

地鎮の儀では、例えば設計者が鎌(かま)、施主が鋤(くわ)、施工会社が鍬(すき)を持ちます。まず設計者が草を刈るような仕草で刈初を行います。次に施主の出番である穿初を行います。神職から鍬を受け取り、左手を上、右手を下にして受け、軽く会釈をした後、盛砂の位置に進み、右手を上、左手を下に持ち替えます。左足を半歩引き、鍬を真向こうから手前へ土を起こすように動かします。このとき「えい、えい、えい」と掛け声を掛けながら三回繰り返します。これが施主の担当である穿初です。次に、神職が鎮物を盛砂に納め、施工会社が土をならす土均を行って完了です。他の参列者は、座ったまま静かに地鎮の儀が終わるのを待っています。地鎮の儀の行い方は地域や施工会社、神職によって違う場合もあるので、事前に確認しておきましょう。

続けて行う玉串奉奠は、榊などの常緑樹の小枝に神の幣(ぬさ)または木綿(ゆうと言われるもの)をつけた玉串といわれるものを神前に備える儀です。施主だけでなく家族も一人ずつ行います。作法の順序は、神職が勧めた玉串を一礼してから手の甲を上にして根元を右手で持ち、手のひらを上にした左手で葉の先の方を下から受けます。胸の高さあたりでやや葉先を高めに持ち、一礼します。神前に進み、玉串台の一歩手前で止まり一礼し、玉串の根元が自分を向くように手のひらを返しながら右手を引きます。左手も根元に持ち替え、玉串を自分の額に近づけるように掲げ、祈願します。お祈りが終わったら、右手を上げて玉串の葉先を持ち、時計回りに玉串を回転させ根元が神前に向かうようにします。そして、神前へ左足より一歩進み、右足を左足に揃えて姿勢を正し、玉串を胸の高さに掲げ玉串案に供えます。右足より一歩下がり、左足を揃え姿勢を正して二礼二拍手一礼をします。以上が玉串奉奠の流れです。 また、地鎮祭の最後に施主のあいさつを求められることがあります。その際に伝えることとしては、まず参列者へのお礼の言葉を述べ、建物や工事着工の喜びの言葉、そして工事の無事を祈り関係者に今後も協力をお願いする言葉、の三点が盛り込まれているといいでしょう。事前にイメージトレーニングをしておきましょう。 そして、地鎮祭での服装ですが、通常大規模な建築物などの地鎮祭の場合には正装・平服とされていますが、住宅建設など個人宅で行う場合は、普段の服装で構いません。神様への礼節の心をもって、身だしなみを整え清潔感のある格好であれば大丈夫です。

所要時間は平均80分から100分

入場及び開式の辞から神酒拝戴まで、全体の所要時間は平均80分から100分程度です。天候などによって簡略化されることもありますが、事前にお手洗いなどを済ませて、余裕を持って臨みましょう。

施主が地鎮祭の際に用意するものは?

施主が準備するものとしては、大きく分けて5つあります。以下順番に説明していきます。

(1) お供え物

土地の神様へのお供え物は施主が用意しますが、盛り付けをする祭壇や三方は神社や施工会社から借りられる場合があるので確認しましょう。用意するものは具体的にはお米一合(約150g)、お酒一升(1.8l)、海の幸(魚と昆布またはワカメなどの乾物)3種、山の幸(果物)3種、野の幸(野菜)3種、塩一合(180ml)、水一合(180ml)です。お米は事前に洗ってざるに上げ、きれいなタオル等で水気を拭き取って乾かしておきます。また、お酒は、酒屋に地鎮祭用であることを伝えると蝶結びのお祝いのしをつけてくれるところが多いです。のしの上部分には「奉献」、下部分には「施主の氏名」を記入してもらうようにしましょう。海の幸は「めでたい」鯛が代表的ですが、尾頭付きであれば他の魚でも大丈夫です。また、野の幸はトマトや胡瓜といった地面の上になるものと、人参や大根などの地面の下にできるもの両方を準備します。

(2) 玉串料

神社へ支払う謝礼を玉串料といい、相場は2~5万円です。神社によっては金額が決まっているところもあるので、予約の際に地鎮祭の祈祷の玉串料として確認をしておくといいでしょう。渡すときに使うのは祝儀用ののし袋です。蝶結びの紅白ののし袋に入れて、表書きの上段に「御玉串料」、下段に施主の氏名を書きます。中袋の表面には同封している金額を漢字で書き、裏面には施主の住所・氏名を記入します。これはボールペンではなく筆ペンで書くようにしましょう。中袋にお金を入れ、表書きに包みます。表書きの裏面を合わせて、下のほうが手前になるように折りたたみます。 また、神職が自分の車などで来られる場合は車代を5千~1万円程度用意します。こちらは白色の封筒に「お車代」と書いて渡しましょう。 どちらも、渡すにあたり正しいタイミングはありませんが、地鎮祭の当日始まる前に合わせて渡すのが良いでしょう。

(3) 榊(さかき)

榊は、常緑の神棚や祭壇に供える植物です。花屋で購入ができるので、5本程用意しておきましょう。ない場合は、他の常緑樹で代替します。

(4) 升や湯呑

升または湯呑は、地鎮祭の最後にお神酒をいただくときに用います。参列者全員に配るため、人数分用意します。ない場合は紙コップで代用しても構いません。容量の多いものの方が、より一層お祝いの雰囲気が高まるので、迷ったときは大きめのサイズにしましょう。また、升はインターネットなどで早めに注文すると、名前や年月日を入れることも可能なので記念品にもなります。

(5) 半紙

半紙は一帖(20枚)用意します。お供え物を盛る三方の下に敷いて使うものです。事務用品店で購入することができます。

しめ縄や紅白幕、鋤や鍬等は一般的には施工会社が用意することが多いですが、会社によって多少の違いがあるため、準備物については神社・施工会社と事前の確認が必要です。その他、施主が用意するものとしては、記念撮影用のカメラなどがあると思い出づくりにもなり良いでしょう。

雨天の場合はどうするの?

工事業者がテントを張って行う

梅雨の時期など、地鎮祭を予定している日が雨の場合もあります。その際はどうするのかというと、通常は施工会社がテントを張って行います。「雨降って地固まる」と言われるように、縁起がよいとも言われます。ただ、台風などあまりに悪天候な場合は、日程をずらしたり儀式の場所を神社などに移すこともあります。事前の打ち合わせの時点で、悪天候だった場合の対応や延期を決める当日のタイミングなど確認しておきましょう。

地鎮祭が終わった後にすること

「鎮め物」は施工業者に預ける

地鎮祭で納めた「鎮め物」は、終わった後施工会社に預け、適当な時期をみて神棚の下の地面や家の中心になる場所の地面に埋めてもらいます。水回りの下になる場所は配管などがあり漏水の影響を強く受けるため、避けるようにします。

お供えした塩やお神酒を土地の四方に撒く

また、お供えした塩やお神酒は神職に教わって土地の四方に撒きます。

近所へのあいさつ回り

地鎮祭後にすることの中でも特に大切なのは、近所へのあいさつ回りです。地鎮祭の後、周りの住民の方に手土産の菓子折りを持ってごあいさつに回ります。菓子折りの予算は1~3千円程度が目安でしょう。菓子折りには、「御挨拶」と表紙に書き、蝶結びののしを用います。これから工事に入ることを伝え、近所の方が何も知らされずにトラブルになることのないようにしましょう。施工会社の人と回ると安心です。どこまで回るかは悩むところですが、目的は、引っ越しの御挨拶と、騒音や工事車両の出入りで迷惑をかけてしまうことを予め謝罪することなので、一般的には向こう三軒両隣プラス後方三軒が目安です。万が一あいさつ時に不在の家があれば、別日にもう一度伺い、直接挨拶できるようにしましょう。また、地域によっては町内会の同じ組・班の長の方にあいさつをすることもあるので、行ったほうが良さそうであれば伺いましょう。

地鎮祭にはいくらかかるの?

総額約10万から15万円が平均

全体として地鎮祭にかかる費用ですが、神職に払うお礼(玉串料)が目安として2~5万円、お車代が5千~1万円、施工会社に払う祭壇等の準備費が1~5万円かかります。また、自分で用意するお神酒や山の幸といったお供え物、湯呑などの準備物や、あいさつ回りで渡す手土産購入、神酒拝戴でお弁当を出す場合には関係者分を用意するなど、地鎮祭を行うにあたっての出費は総額約10~15万円が平均といわれています。雨天が予想される場合には、追加のテント設営費なども考慮する必要があるので、施工会社との打ち合わせで予算を相談しながら確認しましょう。また、今では施工会社が全面的に手配してくれたり、地域のイベント業者が請け負ってくれる場合もあるので、少しでも手間やコストを抑えたい場合は情報収集しておくといいでしょう。

地鎮祭をやるかやらないかは、あくまでも施主の判断

地鎮祭は精神的な意味でも節目となる

さいごに、地鎮祭は家を建てる人皆が必ず行わなければならないという義務的なものではありません。施工会社と相談の上で、施主がやる・やらないを決めることができます。ただ、地鎮祭の目的はその土地の神様に工事の安全や建つ家の繁栄を祈ることですが、行うことによってその家の建設に関わる施主、建設会社、作業員が一同に顔を合わせることのできる貴重な場でもあります。なかなか日常では経験できない厳粛な雰囲気に身を置いて、これから無事家が建つようにと祈ることは、精神的な意味でも節目となるでしょう。

地鎮祭の代わりにお祓いをすることもある

また、今現在の居住地と新築のための土地には距離がある場合や少しでもコストを削りたい場合などは、地鎮祭を行わずに代わりにお祓いをすることもあります。その場合は事前に施工会社や神職に相談して、簡略化したい旨を伝え対応してもらいましょう。 地鎮祭は古くから伝わってきた習わしであり、土地の神様に対して土地の使用の許可をお願いしこれからお世話になりますと祈りを捧げる気持ちが最も大切です。家を建てるという新たなスタートの場ですので、感謝の気持ちをもって臨みましょう。

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