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iemiru コラム vol.183

住宅性能表示制度って何!?第三者による評価で安心感のある家づくりをしよう!

住宅性能表示制度とは?

住宅を買う時や建てる時に、その性能を統一された基準によって相互比較できる

家づくりを考えると、外観や間取り、インテリアなどについつい目が行ってしまいがちです。しかし、住宅には耐震性をはじめとして、防火性や防犯など、様々な性能やそれに対する基準があります。ただ、これらは専門的な分野でもあるため、一般の人には分かりにくいものでした。 そこで作られたのが「住宅性能表示制度」です。これにより、住宅のそれぞれの性能が、統一された基準で評価、表示され、専門家でない人でも住宅を比較しやすくなりました。

希望の性能を設計者や施行者に伝えることができる

住宅性能表示制度により、専門家でなくても、住宅の持つ各性能について分かりやすくなります。さらに、この基準を基に、住宅に希望する性能を設計者や施工者にスムーズに伝えることもできるようになります。 例えば、地震に強い家が欲しいのであれば、構造の項目での希望を伝えることができますし、静かな家にしたい場合は、音環境の項目について相談をすることができます。自分自身が主体となって、住宅の性能のレベルから検討ができることは、快適な生活をする上では有意義な制度となります。

住宅性能評価書で10項目をチェックする

1.構造の安定

地震が起きた際の倒壊のしにくさ

地震に関しての強さには、建物の「倒壊のしにくさ」と「損傷の受けにくさ」の基準があります。住宅の「倒壊のしにくさ」の項目では、強度の条件として、数百年に一度発生し得る極めて稀な大きな地震を想定し、その1~1.5倍の地震力で倒壊や崩壊をしないレベルとしています。 ただし、これはあくまでも地震そのものに対する捉え方であって、液状化や地すべりなどは入りません。

地震が起きた際の損傷の受けにくさ

前述の「倒壊のリスク」を考えた地震のレベルは、数百年に一度の巨大地震でしたが、住宅性能評価においては、数十年に一度発生し得るレベルの大地震においても、住宅が損傷しないかの判断もしています。 この条件も、数十年に一度のレベルの地震の、1~1.5倍の地震力で損傷を受けないかどうかの判断となります。 ただし、ここでの「損傷」とは、倒壊や崩壊のレベルでは無く、「大規模な工事が伴う修復を要しないレベル」とされています。

2.火災時の安全

住宅内で火災が発生した際の、避難のしやすさ

火災に強い家づくりは非常に重要ですが、火災への重要な対策としては、まず、「住む人の避難のしやすさ」が挙げられます。 これには、「自分の家から火災が発生した場合に早く知る手段」や、「共同住宅などで、周囲の部屋から火災が発生した場合に早く知る手段」があります。また、廊下や脱出口、避難はしごなどの状況、そして窓などの開口部が火炎に対してどれくらい強いかなどが基準となります。

隣の住宅で火災が起きた際の、延焼のしにくさ

火災時の安全性を考える場合、住む人の避難のしやすさもありますが、その一方で他の建物や、周囲の部屋への「延焼のしにくさ」も非常に大切な要素になります。火災の拡大は、周囲に住む人の人命にも関わる問題に繋がるのです。 延焼のしにくさは、外壁や軒裏、または隣の部屋や上下の階との間の床が、“どれくらいの時間、火に耐えられるか”で決まります。

3.劣化の軽減

年月が経っても、土台や柱が傷まないようにする対策がなされているか

住宅の性能の中には、長く住むことができるかどうかに関係する「耐久性」もあります。長く安全で快適な生活ができるように、土台や柱、梁などの部材が腐ったり、傷んだりしないようにする対策が取られているかの性能です。 具体的には、木造の場合では、防腐性やシロアリの害への対策が取られていることが挙げられ、鉄骨造などの場合には、メッキや塗装などにより、“サビへの対策が取られているか”があります。

4.維持管理・更新への配慮

配管の点検や清掃のしやすさ

住宅は人が住んでいると、どうしても汚れたり、老朽化したりします。ですから、メンテナンスのしやすさも、住宅の性能としては重要な要素となります。 特に、水道管などは傷みやすく、掃除などが必要となるので、“その作業が容易にできるか”でメンテナンス性の等級を分けることにしています。具体的には、掃除口が設けられているかどうか、配管がコンクリートに埋めこまれていないかで決めています。

故障した際の、補修のしやすさ

住宅の配管は、条件によっては長い期間の使用が可能ですが、どうしても交換が必要な時も出てきます。そのような場合は、配管の交換が必要になりますので、“配管などを容易に交換できるか”も、メンテナンス性の性能の評価対象となっています。 具体的には、マンションなどでは、共用の配管が共用部分に設置され、専有スペースに入らずにメンテナンスができるかなどが挙げられます。

5.温熱環境

冷暖房を効率的に行うために、壁や窓の断熱がなされているか

家づくりの課題のひとつに省エネ性が挙げられますが、これも住宅性能評価の中に盛り込まれていて、分かりやすいように等級化されています。 これは、“冷暖房に使用するエネルギーの削減の対策がどのレベルで取り入れられているか”でランク付けされています。なお、等級は省エネ法に基づいた「住宅の省エネルギー基準」のレベルに準拠しています。

6.空気環境

シックハウスの原因となる接着剤を使用しているか

シックハウスは、ホルムアルデヒドなどの化学物質が、居室内の空気中に放散されて起こる問題です。住宅性能評価の中には、“健康に影響のある化学物質を出さない建材を使っているか”についても、等級として盛り込まれています。 具体的には、内装材などに使用されている合板や壁紙や塗料などのうち、最も化学物質を出す建材を使用する状況によって等級を決めています。

どのような換気設備が整えられているか

シックハウス対策には、居室の換気対策の項目もあります。居室の換気対策としては、概ね2時間で住宅の空気がほぼ入れかわる程度が目安となり、これの有無で評価が決まります。 具体的には、換気扇などの有無や、換気扇が無い場合には、必要のない根拠について表示されます。なお、キッチンや浴室、トイレについては、換気扇や換気のできる窓の有無が表示されます。

7.光・視環境

東西南北と上方に対し、窓がどのくらいの大きさで設けられているか

室内への採光も生活に密接にかかわる条件ですが、“光をどのように採り入れるか”も、住宅の性能として数えられます。採光に関しては、「単純開口率」と「方位別開口比」の二本立てでカウントされます。 単純開口率は、リビングや寝室などの「窓などの開口部と床面積の比率」によるもので、方位別開口比は「東西南北と上方に対し、窓がどのくらいの大きさで設けられているか」で表されます。

8.音環境

主に共同住宅の場合の評価項目

共同住宅の場合、隣の世帯の音や上下の階の世帯の音が聞こえると、快適な生活が損なわれてしまいます。快適な家づくりを考えるならば、「静か」であることは、非常に重要になるからです。 住宅性能評価においては、“床や壁、そしてドアや窓などの開口部の音の伝達を防ぐ対策がどの程度されているか”が、評価の項目に挙げられています。

階下や隣に対しての、音の伝わりにくさ

共同住宅での音の伝わり方では、階下への響き方と隣への伝わり方は違って来ます。階下は床から響きますが、これは子供の走る足音のような響き方と、食器などが床に落ちた時の衝撃音などの響き方があり、この伝わりにくさが評価項目になります。 また、隣の部屋への伝わり方としては、人の話し声のような、空気を伝わる音の対策が評価されます。壁や開口部の評価は、この空気伝搬の音を遮蔽する性能を評価されます。

9.高齢者等への配慮

高齢者や障害者が暮らしやすいか

高齢者や障害者が快適な生活を送るためには、住宅の「安全に対する配慮」が非常に重要です。住宅のバリアフリー性は性能評価としても大切となり、事故を未然に防ぐための工夫が、最初からされているかが評価のポイントとなるのです。そして、ここで重要視されるのが「移動時の安全の確保」と「介助のしやすさ」の工夫の程度となります。

出入り口の段差を無くしたり、階段の勾配を緩くしたりしてあるか

住宅の性能評価に数えられるバリアフリー性には、移動時の安全性と介助のしやすさがありますが、移動時の安全性に関する具体的な工夫としては、階段への手すりの設置や、勾配の工夫、段差の解消などがあります。 また、介助のしやすさに関しては、車いすなどを容易に操作ができる程の廊下の広さや、エレベーターホールの面積、そして階段の幅を十分に取っていることなどが挙げられます。

10.防犯対策

ドアや窓について、防犯上有効な建物部品や雨戸などが設置されているか

昨今、空き巣狙いの被害が多く発生しています。窃盗犯などを簡単に侵入させないことも、住宅の性能のひとつです。 住宅の防犯性は、主にドアや窓などの開口部を狙ったものが多いので、“ドアや窓に外部から不正な手段で開かない工夫がされているか”が評価項目となります。なお、防犯性の高い建築部品の例としては、ピッキングに強いドア錠や、不正解錠に強いタイプのシャッターなどがあります。

住宅性能表示制度のメリットとは?

万一のトラブルにも専門家が対応

住宅にトラブルが起きても、指定住宅紛争処理機関が迅速に対応してくれる

仮にすべての評価項目でトップレベルの性能の住宅でも、トラブルが絶対に無い訳ではありません。遮音性の高い建材を使っていても音が漏れることもありますし、防犯性の高い防犯建物部品を使っていても被害にあってしまうこともあります。つまり、トラブルをゼロにすることは不可能なのです。 そこで、住宅性能表示制度のメリットとして、指定住宅紛争処理機関に紛争処理の依頼ができる点が挙げられます。この機関は各地の弁護士会などから成り立っています。

指定住宅紛争処理機関とは、裁判によらず円滑迅速に処理するための機関

指定住宅紛争処理機関とは、裁判によらず円滑迅速にトラブルを処理するための機関です。住宅関連のトラブルは、不動産自体の価格が大きいこともあり、一度トラブルになると解決に至るまでが非常に長くなりがちです。 しかし、この機関を利用すれば、裁判によらないので、トラブルを解決するスピードが早くなります。なお、建設住宅性能評価書が交付された住宅のトラブルならば、請負契約や売買契約などのトラブルも処理してもらえます。

住宅ローンの優遇

住宅性能評価を実施することで、金利の優遇を受けることができる

住宅ローンの返済は計画性が大切になりますが、使える優遇制度は可能な限り使いたいものですよね。 住宅性能評価を実施し、評価書の交付を受けた住宅は、金融機関から住宅ローンの金利の優遇を受けることができる場合があります。金利はほんの少し違うだけでも、返済期間全体で考えるならば、相当の額が違ってきますので、ぜひ活用したいものです。

金利がずっと固定タイプのフラット35にも適用可能

住宅ローンの怖い点として、「金利の変動」があります。ローンの返済中に金利が上がり、月々のローンの負担が増えるのは、可能であるならば避けたいところです。フラット35は金利が固定されるタイプのローンで、住宅性能評価によって適用可能にもなります。

地震保険料の割引

耐震等級によって、割引率が異なる

住宅性能評価によって、住宅の耐震性の評価を受けると、地震保険の割引を受けることができる場合があります。耐震等級が高ければ、それだけ保険料の割引率は高くなります。

最高等級を取得すると、地震保険が50%も割引される

住宅性能評価によって確認された住宅は、耐震等級の全部の項目で最高等級を取得すると、地震保険が50%も割引される場合があります。 耐震性を上げると建築費用は掛かりますが、地震保険でのメリットも大きいのです。

住宅性能表示制度のデメリットとは?

コストが掛かる

住宅性能表示制度を受ける際に掛かる費用は、10万円~20万円

住宅性能表示制度は、住宅のさまざまな性能の確認のために、非常に有用な制度なのですが、その費用として、10万円から20万円も掛かってしまう場合もあります。 評価の価格は、設計評価と建設評価の価格の合算となり、出張費なども発生する場合があります。

等級を上げると、それに伴って建築コストも上がってしまう

住宅性能評価は住宅の品質に応じて等級が与えられるシステムとなっています。ですから、評価の等級を上げようとすると、住宅の性能を上げなければならず、そのために建築コストが上がってしまいます。 また、上げようとする項目が増えれば、その分だけ建築コストが掛かります。例えば、耐震性と防音性をアップさせると、柱や梁などを丈夫にするのと同時に、壁に組み込む防音材を、より良いものにしなければならず、二重にコストが上がってしまうのです。

不具合が起きない保証はない

評価対象となっている部分のみ調査するため、その他は保証対象外になる

住宅性能評価は、評価の対象が必須のものと選択のものがあります。そして、評価対象とした部分しか調査されません。 例えば、構造部材の耐震性を評価するために、構造部材の確認はしますが、経年劣化対策などの他の項目に関しては評価せず、保証の対象にはなりません。

アフターメンテナンスが充実している施工業者を選ぶ必要がある

住宅性能評価は確かに住宅の性能評価をしますが、メンテナンスは別になります。ですから、快適な家づくりのためには、アフターメンテナンスの充実している施工業者を選ぶ必要もあります。高品質の家を保つためにも、定期的なメンテナンスを実施してもらいましょう。

住宅性能評価書を見て、安心の家づくりを

住まいの性能が、等級や数値で表示されている

住宅性能評価によって、住宅の性能の各項目を体系的に確認することができるようになり、等級や数値で客観的にも確認ができるようになりました。 この体系的かつ客観的な確認は、安心の家づくりにおいての指標になり得ます。

第三者機関の評価員が公平に性能チェックするため安心できる

客観的な評価をしてもらう場合、公平性が高いのは、第三者機関に評価してもらうことでしょう。住宅性能評価は、建築会社とも不動産業者とも関係のない評価機関の評価員が性能のチェックをしますので、高い公平性も担保されています。 この住宅性能評価制度を、よりよい家づくりの指標として検討してみてください。

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