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iemiru コラム vol.193

瑕疵とは?? 不動産売買における「瑕疵担保責任」や民法について解説

不動産を売買するときに出てくる「瑕疵」または「瑕疵担保責任」という言葉。難しい感じですし、何のことが良く分からないという方も多いのではないでしょうか。 本記事では知識のない方でもわかるように、瑕疵の意味や期間、法的な拘束についてわかりやすく解説していきます。しっかりと内容を理解して、不動産売買で損することのないようにしましょう。

瑕疵とは?

瑕疵とは、傷や欠点のことで、法律用語としては「本来あるべき品質や状態が備わっていないこと」。住宅用語として聞くことが多いですが、瑕疵には「物理的な瑕疵」「法律的な瑕疵」「心理的な瑕疵」があり、それぞれの欠陥に対して責任が問われることになります。 本記事では住宅・不動産売買における瑕疵について解説していきます。

物理的な瑕疵の例

物理的な瑕疵とは、「建築基準法に基づいた耐震性がない」「雨漏りがする」「シロアリによる被害がある」など、住宅の構造上の欠陥をさします。責任問題となるのは、売主が住宅に欠陥があるにもかかわらず、買主に隠された状態で販売された場合です。 もちろん、建物のひび割れなども瑕疵ですが、買主が住宅を確認すれば簡単にわかるようなことなので、責任問題になることは滅多にありません。

心理的な瑕疵の例

心理的な瑕疵とは、「過去に事故で死亡者が出た」「近隣に迷惑行為を繰り返す住人がいた」といった、住むにあたって精神的な負担になることを指します。 基本的に瑕疵は売主から買主に事前告知をする義務がありますが、心理的な瑕疵の場合はグレーゾーンとして言われないことも。また過去に死亡事故などが起こっていた場合でも、一旦別の入居者が入れば、次の入居希望者への告知義務はないという判例もあります。 近隣に迷惑行為を繰り返す住人などがいる場合、とくにマンションなどの集合住宅の場合は、管理組合などが迷惑行為の解消をする働きかけをしても収まることがない状態であることがポイントです。さらに内見をしたときに気付かない、または知らされないまま入居した場合などに隠れた瑕疵として責任を問える可能性があります。

法律的な瑕疵の例

法律的な瑕疵とは、「都市計画による撤去が決まっている」「建ぺい率や容積率を違反している」といった法律による住宅の欠陥のこと。上記のような内容を知らされないまま入居(とくに賃貸ではなく売買)した場合に売主側の責任問題となります。 法律的な瑕疵のある物件は、建物内の部屋のリフォームやリノベーションは可能ですが、建て替えはできない可能性が高く、もし建て替えることが出来ても、現状よりも小さかったり、狭かったりします。 また、法律的な瑕疵のある場合、住宅ローンが通らない可能性があることも注意が必要です。

不動産売買で発生する「瑕疵担保責任」

瑕疵担保責任とは、売主が買主に対して瑕疵(欠陥)の責任を持つ義務があること。不動産売買をするときに欠陥がある場合、売主は買主に説明する義務がありますが、「柱がシロアリの被害にあっていた」など隠された瑕疵が発覚した場合にその改善費用を請求することができます。 瑕疵担保責任は無過失責任なので、売主がわざと買主に説明しなかった場合はもちろん、売主も気付いていない瑕疵(欠陥)があった場合にも責任を負わなければいけません。

民法の解釈

民法第566条(地上権等がある場合等における売主の担保責任)

“① 売買の目的物が地上権、永小作権、地役権、留置権又は質権の目的である場合において、買主がこれを知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる。” “② 前項の規定は、売買の目的である不動産のために存すると称した地役権が存しなかった場合及びその不動産について登記をした賃貸借があった場合について準用する。” “③ 前2項の場合において、契約の解除又は損害賠償の請求は、買主が事実を知った時から1年以内にしなければならない。” この民法第566条では、「①②買主が目的物(この記事では住宅)を売買する場合、目的物に瑕疵(欠陥)があるときは損害賠償請求や解約ができる。ただし、代金の減額は要求できない」ということを示しています。 さらに「③存在賠償請求や解約ができるのは、瑕疵に気付いてから1年以内です」という内容です。

民法第570条(売主の瑕疵担保責任)

“売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第566条【地上権等がある場合等における売主の担保責任】の規定を準用する。ただし、強制競売の場合は、この限りでない。” この民法第570条では、「目的物(住宅)に隠れた瑕疵(欠陥)があった場合は、第566条に基づいて損賠賠償請求や解約ができます。ただし、強制競売された物件は対象外です。」という内容を示しています。 強制競売とは、借金をした方が借金返済のため、強制的に住宅を競売にかけられる(売られる)ことです。

民法第572条(担保責任を負わない旨の特約)

“売主は、第560条から前条までの規定による担保の責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実及び自ら第三者のために設定し又は第三者に譲り渡した権利については、その責任を免れることができない。” この民法第572条では、「担保責任を負わない特約をしていても、売主が瑕疵を知っていながら買主に内緒で売買したときや、買主とは関係ない第3者へ譲渡(例えば「二重譲渡」)したときは責任逃れできません」という内容を示しています。

宅地建物取引業法(宅建業法)の解釈

宅建業法第40条(瑕疵担保責任についての特約)

“① 宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約において、その目的物の瑕疵を担保すべき責任に関し、民法(明治二十九年法律第八十九号)第570条において準用する同法第566条第3項 に規定する期間についてその目的物の引渡しの日から二年以上となる特約をする場合を除き、同条 に規定するものより買主に不利となる特約をしてはならない。” “② 前項の規定に反する特約は、無効とする。” この宅建法第40条では、「①不動産業者が土地や住宅を売買する場合は、2年間は必ず責任を持ってください」「②それ(①の内容)に違反する契約は、全て向こうになります」という内容を示しています。 

瑕疵担保責任の期間

個人で売買する場合

個人で不動産(土地や住宅)を売買する場合は、瑕疵担保責任を負う期間についての規定はありません。特約で「瑕疵担保責任を負いません」という内容を盛り込むことも可能です。 ただし、全く責任を負わないと表記すると「裏に何かあるんじゃないか」と思われてしまうので、期間を短め(3ヵ月程度)に設定するのが一般的です。

不動産会社が売買する場合

不動産業者が売買する場合は、宅建法第40条によって2年間の担保責任が義務付けられています。例え期間を短く半年などに設定しても、民法のルールが適用されるので責任逃れはできません。

古い物件に多い「免責」「免除」

古くて「免責」でも良い物件はある

中古物件に多いのが「瑕疵担保責任免責」という表記。「免責」とついている通り、瑕疵担保責任を負いませんよと事前に通知する意味があります。 多くの場合は「問題ないはずだけど、古い物件だから何かあっても責任は負いたくない」という理由があって表記されており、単純に言い逃れしたいだけで表記しているわけではありません。 気になる方は事前に耐震性調査することをおすすめします。

瑕疵担保責任にも時効がある

民法第167条1項

“債権は、十年間行使しないときは、消滅する。” この条文は「債権(損害賠償などを請求する権利)は10年間使わないと無くなりますよ」という内容を示しています。なので、物件を購入して11年後に瑕疵が見つかったとしても、請求することはできないので注意しましょう。 ただし、新築の場合は「品確法」によって期間を20年まで延長できることもあります。

不動産売買は「瑕疵担保責任」の免責などに注意しよう

瑕疵担保責任は、不動産売買をするにあたってとても大切なポイントです。不動産業者などはプロなので十分に理解していますが、買う側は素人の場合が多いので、不利な契約をしないように気を付けましょう。 瑕疵担保責任を理解したうえで、損することがないように不動産売買を検討しましょう。

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