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iemiru コラム vol.223

住宅ローンシミュレーションでは不十分?賢いローンの組み方とは

住宅ローンシミュレーションはあくまで概算

家を建てようとした時、ほとんどの人が利用する住宅ローン。実際に、いくら借りることができるのか、毎月の返済額はいくらになるのかなどを、事前に知ることができる「住宅ローンシミュレーション」は、住宅購入の計画を立てるのに、とても便利なツールです。 ただ、中には「住宅ローンシミュレーションで試算した結果と全く違った!」「銀行によって試算結果が違う!」と混乱してしまう方も少なくないはずです。 今回は、住宅を購入する時にとても便利なツール「住宅ローンシミュレーション」を賢く使って、無理のないローンを組む方法について解説します。

住宅ローンシミュレーションとは

そもそも住宅ローンシミュレーションとは、各銀行などが提供している住宅ローンの試算をすることができるツールです。 通常は、実際に書類を用意して、銀行に年収や頭金などの状況を提出し、住宅ローンの相談を進めていく流れになります。ですが、住宅ローンシミュレーションを使えば、事前にある程度の試算をすることができるのです。 住宅ローンシミュレーションでは、毎月の支払額や金利、頭金、年収や毎月の返済額などを入力することで、住宅ローンの試算をしていきます。

借りられるかより返せるか

住宅ローンの返済計画を立てる時に、とても重要となるポイントがあります。それは「借りられるかより返せるか」という点です。欲しい家を購入できるだけのローンが組めることがわかると、そのまま契約してしまう方もいますが、少し冷静に考えましょう。 試算でわかる金額は、あくまでも「借りられる最大の金額」です。それは、返せる額とは異なるのです。無理なローンを組んだことで、今まで気軽に買えていたものが買えなくなる、生活の質を落とさないといけない…なんてことになっては本末転倒といえるでしょう。 そこでしっかりと計画したいのが、こちらの2点です。 ● 毎月余裕を持って返済できる額はいくらなのか
● 定年した後に、残高がいくら残っているのか
この2点をしっかり把握して、将来まで無理なくローンを払い続けられるように賢く計画することが大切なのです。

住宅ローンシミュレーションの前に確認すべき3つのこと

住宅ローンシミュレーションを行う前に、しっかりと決めておくとローンの計画が立てやすくなるという3つのポイントがあります。少なくとも、この3点をじっくり話し合って決めて、背伸びしない住宅ローン計画を立てるようにしましょう。

毎月の返済額は?

ポイントの1つ目は、毎月の返済額を考えることです。人によっては、今支払っている賃貸物件の家賃を目安にする方もいますが、それではあまり余裕のない返済計画になってしまうかもしれません。 なぜなら、家を購入する場合、賃貸ではかからなかった費用がかかってくるからです。こちらをご覧ください。 ● 固定資産税
● 都市計画税
● 火災保険
● 地震保険
● 修繕費
● マンションの場合は管理費
このように、住宅を購入すると、賃貸の場合には必要なかった費用がかかってくるため、賃貸の家賃を参考にしていると支払いに余裕がなくなってしまいます。 特に、修繕費に関しては、毎月コツコツ積み立てておくことが大切です。住宅を購入した場合は、必ず壁や屋根の補修、塗り替えなどリフォームが必要になる時がやってきます。その時、数十万〜百万単位の資金を突然用意するのは、とても大変なことです。 こういった費用を計算した上で毎月の返済額を決めていくと良いでしょう。

返済総額と利息額は?

2つ目のポイントは、返済総額と利息額を確認することです。住宅ローンを組んだ場合、当然ながら利息を払うことになります。いくら利息を払っているのかを計算することで、住宅ローンの金額を見直すきっかけになることもあるのです。 返済総額や利息額は、手計算でも求めることが可能です。ここでは割愛しますが、インターネットで検索すると、計算式や方法がわかります。 単純な借入額だけでなく、返済総額や利息も確認した上で、住宅ローンを組むようにすると、金融機関のシミュレーション結果を比較したり、金利を比較するのに役立ちます。 無理のない返済計画を立てるためには、手間を惜しまず計算してみることをオススメします。

完済可能?

毎月の返済額と、返済総額、利息額がわかったら、最後に将来まで見据えた上で完済可能かどうかを確認していきましょう。人生におけるお金の計画は、ライフステージにも大きな影響を受けます。 子供の受験、入学や卒業、車購入、旅行、子供の結婚、子供の住宅購入の援助、定年など、人生の中でお金が必要な場面は多々あり、そこまで見据えた上で、本当に完済が可能かどうかを把握することは、大切です。 一生に一度の大きな買い物なので、ここは面倒くさがらずに、しっかりと計算して計画を立てましょう。

先に知っておくと便利!住宅ローンの用語解説

いくらなら完済可能か、毎月の返済額はいくらかをしっかり把握したら、実際に住宅ローンシミュレーションをやってみてもよいでしょう。ただ、中には、返済方法や金利の種類がわからず、試算画面にどう入力していいかわからない方もいるようです。 そこで、試算の前に、知っておくと便利な住宅ローンに関する用語を解説します。

「元利均等返済」と「元金均等返済」

住宅ローンの返済方法には「元利金等返済」と「元金均等返済」の2種類があります。そもそも返済額は、元金(がんきん)と利息という2つの層に分けることができます。元金とは、純粋に借りたお金そのものの額。利息は、元金に対して利率をかけて導き出されたものです。 「元金×利率=利息」という計算式になるので、利率をかける元の数字の「元金」が減れば減るほど、「利息」も減るという関係性を覚えておいてください。 まず、元金均等返済は、元金を、借りる月の数で均等に割って、返済していく方法です。元金均等返済の場合、元金が一定額ずつ減っていくので、返済が進むにつれて利息も減っていきます。 一方、元利均等返済は、毎月同じ額を返済し続ける返済方法です。借入直後の返済額の内訳は、金利がほとんどを占めており、返済が進むにつれて支払う利息も減っていきます。 ここで一旦、それぞれの特徴をまとめてみましょう。

 元金均等返済 元利均等返済
毎月の返済額借入直後が一番高い毎月一定額
返済総額 元利金等返済より少ない元金均等返済より多い
元金の減り方 早い遅い
メリット返済総額が少ない将来の見通しを立てやすい
デメリット最初の支払いが大変総支払額が多い

このようになります。一般的には、将来の見通しの立てやすさから、元利金等返済を選ぶ方が多いようです。

「変動金利」と「固定金利」

また、住宅ローンの金利には、主に「変動金利」と「固定金利」の2種類があります。金利は、利息を導き出すための利率のことです。 まず、変動金利とは、借りている間に金利が変動するタイプです。金利の変動が返済額に反映するのは5年に一度の見直しのタイミングなので、すぐに金利の変動が影響するというわけではありません。 また、大きく金利が変動した時でも、125%は超えないというルールがあるため、とんでもなく価格が上がってしまうという心配もないです。 ただし、支払う利息に上限はないので、金利の上昇によって利息分が増えると、利息の返済ばかりでなかなか元金が減らないということになるデメリットがあります。 一方、固定金利とは、返済期間中の金利が固定されているタイプです。よって、毎月の返済額も変わりません。固定金利の中には、特約などで一定の期間だけ限定して固定金利にする「固定期間選択タイプ」もあります。 ただし、固定期間が終わって、変動金利タイプに戻った時、金利が大幅に上がっていても、変動金利のように125%などの上限がないというリスクも考えられるでしょう。 金利は、変動型が一番低く、固定型が高くなっています。これは、銀行にとって変動型の方がリスクが少ないためのようです。

返済比率

最後に返済比率について解説します。返済比率とは、年収に対しての年間の返済額の割合のことです。一般的には、最大35〜40%で設定されているようですが、この比率は金融機関や年収によって異なるので確認が必要です。 例えば、年収が400万の方は、年間の返済額の上限が140〜160万ということになります。返済比率で、ある程度の借入可能額の上限がイメージできるでしょう。ただし、カードの利用状況や転職の多さなどの信用情報によっては、返済比率から計算した額を下回ることもあります。

賢い住宅ローンシミュレーションの活用方法

住宅ローンに関する用語はイメージできましたか?それでは、いよいよ賢い住宅ローンシミュレーションのやり方を解説していきます。住宅ローンシミュレーションは、各金融機関のホームページや、住宅金融支援機構のホームページなどに必要事項を入力するだけで簡単に計算することが可能です。 そこで、ここでは、より賢く住宅ローンシミュレーションを活用するためのポイントをご紹介しましょう。

年収の25%までに抑える

冒頭でも少しご紹介しましたが、住宅ローンシミュレーションの額は、あくまで借りられる上限の額であって、返済できる額の目安にはなりません。住宅ローンシミュレーションを行う時の目安としては、年間の返済額が「年収の25%以内」になるように試算してみてください。 毎月余裕をもった暮らしができる目安になる数字といわれています。ただ、これはあくまでも概算です。人によっては当てはまらない場合もあるかもしれません。しっかりと根拠のある返済可能額を知りたい場合には、ファイナンシャルプランナーに相談するのが賢い方法です。

諸費用も計算しておく

住宅ローンシミュレーションをする上で、忘れてはならないのが諸費用です。住宅を購入する時には、各種登記費用や収入印紙代、事務手数料、保険料、各種税金などの諸費用がかかります。 現在の預貯金から諸費用を現金で支払う必要が出てくるため、しっかり確認しておきたいポイントです。諸費用の相場は、物件の価格に対して7〜10%程度必要となります。ちなみに、住宅を購入した時に、最低でも3〜6ヶ月は生活していけるだけの生活費を残しておくと安心です。

60歳時点のローン残高は?

最後のポイントは、60歳時点のローン残高を確認するということです。この試算に関しては、金融機関のホームページでは試算項目に出てこない場合が多いようです。 ですが、定年を迎えた時、それまでの収入は大きく変わります。その時点の収入で、残りのローンを余裕をもって返せるかどうかが、老後の生活の豊かさを決めるポイントといっても過言ではないでしょう。 この試算を確認するには、住宅金融支援機構の住宅ローンシミュレーションがオススメです。

住宅購入後に必要となる4つのお金

余裕を持った返済額を計算できましたか?さて、無事住宅ローンを組むことができたとして、それで支払うお金が全てというわけにはいきません。住宅を購入した後には、こんな費用も必要となってくるのです。 毎月の収入から、これからご紹介する4つの費用も積み立てておく必要があります。

固定資産税

住宅を購入すると、賃貸の時には関係のなかった「固定資産税」の支払いが発生します。固定資産税のだいたいの相場は、年間10万円前後で、支払いは毎年4〜6月頃に届く通知で確認し、支払うことになります。 その時期に慌てないように、毎月の収入から少しずつ積み立てておくようにしましょう。

メンテナンス費

次に積み立てておきたいのがメンテナンス費です。新築の場合は、あまり意識しないポイントかもしれませんが、実際に戸建住宅に住んでいると、いかに修繕費にお金がかかるかを実感することになります。 また、メンテナンスを怠ると、後々大幅なリフォームや修繕が必要となり、多額の費用がかかることにもなりかねません。修繕費用は、10年を超えた頃から発生します。例えば、以下のような修繕が考えられるでしょう。 ● 10年超…壁紙、お風呂のパッキンなどの水回り
● 20年超…外壁、雨漏り、屋根の修繕、トイレの交換、エアコンの故障など
● 30年超…壁紙張り替え、給湯器の交換、シロアリ駆除など
一般的には、10年を超えた時点で200〜350万程度の修繕費がかかるようです。修繕が必要になった時に、すぐ行動に移せるよう、毎月の収入から積み立てておく計画が重要です。

生命保険料

住宅ローンを組むと、団体信用生命保険の加入をすることになります。この保険は、万が一契約者が死亡したり高度障害になった時、住宅ローンを返済する保険金が下りるというものです。 毎月の支払いは小さい額かもしれませんが、ずっと支払いが続くものなので総額としては大きくなります。

損害保険料

生命保険だけではなく、家に対しての保険も必要です。火災や地震の被害にあった時のために、損害保険へ加入することで、万が一のリスクに備えることができます。種類としては、火災保険、地震保険、家財保険などがあります。だいたい、年間で3〜5万程度が相場のようです。

住宅ローンシミュレーションQ&A

最後に、住宅ローンシミュレーションについての素朴な疑問にお答えします。

消費税が10%に上がったらどんな影響がある?

消費税が10%になると、建物代や仲介手数料など「消費税のかかる支払い」に関して、影響が出てきます。もし増税前の消費税適用を希望するなら、引き渡し時期を2019年9月30日にする必要があります。

金利タイプはどれが主流?

平成28年度の国土交通省「貸出残高における金利タイプ別割合の推移」調査によると、平成27年度末では、次のような結果になりました。 ● 全期間固定金利型…3.1%
● 固定金利期間選択型…32.9%
● 変動金利型…56.2%
参考:国土交通省 貸出残高における金利タイプ別割合の推移【各年集計】 この結果からすると、変動金利を選んでいる人が半数以上を占めています。この理由としては、変動金利の方が金利が安いこと、主流が変動金利であるという思い込みや勧めがあることが挙げられるようです。 ただ「オススメされたから」「単純に金利が安いから」ではなく、それぞれのメリット・デメリットを正しく理解して、納得した方を選ぶように心がけましょう。

住宅ローンシミュレーションを賢く活用しよう

住宅ローンについて解説してきましたが、無理のない返済計画は見えてきたでしょうか?住宅ローンというと、難しい専門用語や複雑な計算、あらゆる現状を踏まえた上で考えないといけないなど、住宅ローンを初めて組む方にはハードルが高く感じるかもしれません。 ですが、大きな買い物である夢のマイホーム購入は、その後の人生に彩りを添えてくれると同時に、返済計画次第で老後の生活まで影響してくる重要なイベントです。 一つ一つ落ち着いて紐解いていけば、そこまで難しい話でもないかもしれません。不安な方は、ファイナンシャルプランナーに相談するのも1つの方法でしょう。 そして、ぜひ住宅ローンシミュレーションを賢く活用してみてください。この記事が少しでも、無理のない返済計画の参考になれば幸いです。

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