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iemiru コラム vol.233

シロアリ駆除、自分?業者に依頼? 方法や費用などわかりやすく解説

日本全国で発生するシロアリは、放っておくと住宅強度や耐震性を低下させる害虫です。ですが、ほとんどの方は知識がないので「たぶんシロアリだけど、どう見分ければよいの?」「駆除するには業者へ依頼するしかないの?」と対応に困ることも。 本記事ではシロアリの基本知識から自分で駆除する方法、業者へ依頼するときの費用やポイントについて解説していきます。シロアリ被害で困らないよう、ぜひ参考にしてみてください。

シロアリとは?

シロアリとは、木を主食とする昆虫で、地球上でもっとも数が多い昆虫とされています。人間にとっては大切な住宅に被害を加える害虫ですが、自然界では木を分解して生態系を支えている重要な働きを持っています。 見た目が「黒アリ」に似ていることから「シロアリ」という名前になっていますが、実はゴキブリの仲間に分類されます。高温多湿な場所を好むので、住宅で被害にあうのも水回りが多いのが特徴です。 木の柔らかい部分、つまり内側の見えない部分から食害されていくので、木材の表面は残したままスカスカになってしまいます。

シロアリと黒アリの見分け方

黒アリとシロアリの見た目はよく似ているので、素人がぱっと見で判断するのは難しいところ。ですが、以下の4点に注目してみることで、両者を見分けることができます。

羽のバランス

黒アリにもシロアリにも、前後左右で4枚の羽があります。しかし、 ・シロアリ/4枚のサイズがほぼ同じ ・黒アリ/前2枚が大きく、後2枚が小さい という違いがあります。シロアリが住宅に侵入するときは、羽アリの状態で飛んできて定着するパターンが一般的なので、室内で見かけたら羽の形から確認してみましょう。

腹部のくびれ

腹部にも違いがあります。 ・シロアリ/クビレがなく寸胴 ・黒アリ/腹部のまんなかにクビレ

触角の形

頭部からでている触角にも違いがあるので確認してみましょう。 ・シロアリ/ゆるいカーブ状で折れていない ・黒アリ/くの字に折れている

蟻道の有無

アリが通った後にできる道を「蟻道」といい、シロアリと黒アリで特徴が違います。 ・シロアリ/トンネル状の丈夫な道をつくる ・黒アリ/ほとんど作らない、作っても比較的脆い シロアリの蟻道は指で軽く押しても壊れない場合が多く、黒アリの蟻道は比較的脆いのが特徴です。

シロアリの種類を確認しよう

イエシロアリ

イエシロアリは世界中のシロアリのなかでも被害が大きい種類で、西日本を中心に生息しています。体長は働きアリで5~7mm、6~7月の夕方~夜にかけて羽アリが群飛。自分たちで水分を運ぶことができるので、活動範囲が広く、床下以外にも2階や屋根裏まで被害に遭うことも。 巨大な巣を中心として行動範囲が最大100mにもなるとされており、巣が屋外にあっても近所の住宅は被害に遭う可能性があります。メインの巣だけでなく、中間地点に分巣を作ることがあるので、被害の拡大に注意が必要です。

ヤマトシロアリ

ヤマトシロアリは北海道の北部をのぞく全国各地に生息しており、もっとも被害件数の多いシロアリです。体長は働きアリで4~6mm、4~5月の昼にかけて羽アリが群飛します。 ヤマトシロアリはイエシロアリと違って自分で水分を運ぶことができないので、湿気のある床下が被害の中心となります。雨漏りしている場合などは、2階以上でも被害に遭うので注意しましょう。 巣は食害した木材のなかに作り、巣を中心にして活動しています。

アメリカカンザイシロアリ

アメリカカンザイシロアリは、近年増加している外来種のシロアリで、北海道以外の全国各地で発見されています。体長は働きアリで5~8mm、7~9月にかけて羽アリが群飛します。もともと日本にはいませんでしたが、輸入された木材のなかで生き続け、日本でも定着してきました。 「カンザイ=乾材」という名前が示すように、イエシロアリやヤマトシロアリ違い、わずかな水分でも生きることができます。そのため、床下に限らず住宅全体に被害が拡大するのが特徴です。

シロアリが発生しやすい条件や場所をチェック

シロアリが発生するにはいくつか条件があります。すでに数匹見かけた方は、他にいないか確認してみましょう。まだ見かけたことがない方でも、以下の条件に当てはまるのであれば注意が必要です。

新築または薬剤散布から5年以上経っている

 《新築または薬剤散布から5年以上経っている》 日本で新築するときは建築基準法によって「地面から1メートル以下にある主要な木材には、防腐やシロアリなどの害虫対策をしなさい」という旨が定められており、シロアリ対策が施されています。 ですが、シロアリ対策に使われる薬剤は最大で5年経つと効果が無くなるように作られています。これは薬剤による健康被害や自然環境への配慮によるもので、前回の薬剤散布から5年以上経っている建物は、再処理が必要です。

シロアリ駆除をしたご近所さんがいる

シロアリ駆除は一度に全滅させるものではなく、時間をかけて駆除していきます。そのため、駆除している途中で逃げ出し、近所の住宅に引っ越しをする可能性も。 シロアリは繁殖力が高く、数匹でも徐々に拡大していくので、近所でシロアリ駆除をしているときは注意が必要です。

庭にウッドデッキや木の塀がある

日本のシロアリは地中を移動する性質があり、地面に木材が触れている箇所は危険です。日光や風の影響もなく、水分が溜まりやすいなど、シロアリにとって最高の条件が揃いますので、注意してください。

外壁や基礎まわりのひび割れ

外壁や基礎まわりでひび割れがある場所は、雨などで水が浸入し、湿気が溜まりやすくなっています。シロアリは湿気がある場所を好むので、標的にされる可能性が高いです。 ちょっとした地震でもひび割れは発生しますので、定期的に家まわりを確認し、ひび割れを見つけたら早めに補修しましょう。

風呂場やキッチンなどの水回り

水分や湿気を好むシロアリによって、風呂場やキッチンなどの水回りは好条件が揃っています。タイルや配管のひび割れ、隙間からでる水分がシロアリを呼ぶ可能性があるので、十分に注意しましょう。

玄関

玄関は基礎に支えられた他の場所より低く、地面に近い場所。その分地面からの湿気の影響を受けるので、被害に遭いやすい場所です。とくに玄関にひび割れがあるときなどは、水掃除や傘にたまった水が漏れだすので、早急に補修するようにしましょう。

床下

床下は基礎になる木材がありつつ、湿気も溜まりやすい場所なので、もっともシロアリが発生しやすい場所と言えます。

シロアリの自己診断

日常生活のなかに、シロアリ発生していることを知るためのヒントがあります。以下5つのポイントを確認してみましょう。

羽アリが集団で飛んでいる(軍飛行動する)のをみた

4~9月にかけてはイエシロアリやヤマトシロアリ、アメリカカンザイシロアリが群飛行動をする季節です。すぐ側に巣がある可能性も低いですが、見かけた時は、敷地内に巣がないか以下のポイントも確認してみましょう。

敷地にある木材の杭や垣根がグラついている

庭にある木の塀、垣根などがグラグラしている場合は要注意です。根本からシロアリの食害にあっている可能性があります。ときには地面に接している植木鉢やプランターにいることもあるので、定期的に確認してみましょう。

床のきしみやドアのゆがみを感じる

床がフカフカと不安定になってきしんでいたり、ドアや雨戸の動きが悪くなったりすると、シロアリの被害に遭っている可能性があります。 特に、床やドアに違和感を覚えるぐらいであれば、かなり被害が進行している可能性も。すぐに他場所や床下の点検をおすすめします。

基礎や外壁にアリの通り道(蟻道)がある

基礎部分や外壁に、蟻道がある場合は要注意です。蟻道はシロアリが餌場へ移動するためのトンネルで、直径1~5cmぐらいあります。金属部分やコンクリートの表面に作られる場合もあるので、木材に限らず確認するようにしましょう。 蟻道があるということは、餌場にしている木材がある可能性大なので、早めに敷地全体の点検をしてみてください。

DIYでシロアリを駆除する方法

シロアリ駆除は信頼できる業者へ任せるのが一番良い方法ですが、予算やプライバシーなどの都合で、自分で駆除したい方もいると思います。以下3つの方法を解説しますので、参考に検討してみてください。 ただし、見るからに木材の被害が大きく、床やドアに影響がある場合は、無理をせず業者や市役所・保健所へ相談しましょう。

ベイト工法でシロアリを駆除

ベイト工法は毒餌を使ってシロアリを駆除する方法。「ステーション」と呼ばれるシロアリの好物が入った容器でシロアリをおびき寄せ、毒餌を食べさせます。シロアリは餌を仲間に分け与える習性があるので、毒餌を巣全体へ行き渡らせて全滅させるシステムです。 設置方法は商品によって異なりますが、おおよそ家の周囲1~3mごとに1ステーションを設置し、1~2ヵ月ごとに中身を確認。すでに蟻道や巣の場所が分かっている場合は、その一部を崩して設置するか、すぐ側に設置します。 最初から毒餌入りのステーションのほかに、発見後に毒餌を入れるタイプもあるので注意しましょう。

イエシロアリ駆除に有効

またベイト工法はシロアリのなかでもイエシロアリの駆除に向いている方法です。というのも、イエシロアリはひとつの巨大な巣を中心にして周辺に広がっているので、1箇所から全体へ毒餌を行き渡らせやすい特徴があります。 それに対してヤマトシロアリやアメリカカンザイシロアリは、1つの住宅に対して複数の巣が独立して存在するのが特徴です。全ての巣をベイト工法で駆除するのは難しいと言えます。

メリット

ベイト工法は薬剤を散布する駆除方法に比べると、健康や環境への負担が少ないのが特徴です。とくにペットや小さな子供がいる家庭では、薬剤を最小限にするベイト工法の方が安心といえます。

デメリット

ベイト工法は1~3ヵ月かけてじっくりと駆除する方法です。その間、定期点検をしたりする手間もかかりますし、料金も薬剤散布より1.5~2倍高くなる傾向にあります。

木部処理・土壌処理でシロアリを駆除

木部処理・土壌処理は、薬剤を散布してシロアリを駆除する方法。スプレーやシャワー上に薬剤を散布するときもありますし、木材へ直接注入するときもあります。 蟻道や巣の場所がハッキリしている場合は、そこを重点的に薬剤散布し、周辺もしっかりと薬剤を散布します。 また床下の土部分にも薬剤を散布して、塗膜をつくってバリアを張っていきます。薬剤によっては配管や配線に当たると危険なので、商品の説明書きを確認してください。

ほとんどのシロアリに有効

ベイト工法は主にイエシロアリの駆除に有効な方法ですが、木部処理・土壌処理は基本的にどのシロアリに対しても有効です。ただし、商品によっては有効なシロアリが違う可能性もあるので、発生しているシロアリの種類を確認しながら検討しましょう。

メリット

木部処理・土壌処理では薬剤を被害箇所へ散布することで、ベイト工法よりも即効性が期待できます。またベイト工法に比べると料金が安くなる場合が多く、被害状況に応じて最適な処理が可能です。

デメリット

木部処理・土壌処理は被害箇所とその周辺へ薬剤を散布するので、ベイト工法よりも薬剤の量が多く、臭いなど影響があるのが特徴です。また被害状況によっては壁や床に穴をあけたり、一面をはがしたりと大掛かりな工事になる可能性もあります。

シロアリ駆除で準備するもの

シロアリの駆除では床下にもぐったり、屋根裏に入って作業したりすることも。以下では薬剤以外で必要になる主な道具をまとめました。

防護服

専用の防護服か、つなぎのように身体全体を覆ってくれる服がいいです。必ず長袖長ズボンで、隙間から害虫が入ったり、釘などの突起に引っかかって破れたりしない服装にしましょう。

防護頭巾

ヘルメットなど、頭をぶつけても大丈夫なようにしましょう。仮に1人で床下や屋根裏に入り、頭を打って倒れたとしても、誰も気づいてくれないかもしれません。助けが来るまでに時間がかかり、大変な事態になる可能性もありますので、十分に備えましょう。

防護メガネ

床下や屋根裏には、小さな虫やホコリなどが舞っています。また薬剤散布ときに自分へかからないように、しっかりと目の保護を徹底しましょう。

防護マスク

小さな虫やホコリはもちろん、カビ菌なども舞っている可能性があります。しっかりと鼻まで覆ってくれるタイプのマスクを用意しましょう。とくに薬剤散布をするときは、専用のマスクを用意してください。

手袋

床下や屋根裏では、体重を支えるために木材を掴むような場面もあります。木のささくれでケガをしたり、虫にかまれたりする可能性もあるのでしっかりと手袋をしておきましょう。

動きやすい靴

動きやすい履きなれた靴を用意しましょう。可能であれば足首がフィットしている長靴など、ズボンの裾をしまえるタイプがベストです。

ヘッドライト

床下や屋根裏には明かりがないので、照明が必要です。手持ちライトでもよいですが、両手が使えるヘッドライトも用意することをおすすめします。

室内のシロアリを駆除する2つのポイント

もし室内にシロアリが発生した場合、一刻も早く処理したい方がほとんどだと思います。以下の2点に注意して対応してみてください。

殺虫剤は使用しない

もっとも手軽なのでやりがちなのが、家にある殺虫剤を使用する方法です。たしかに即効性はありますが、シロアリを逃がしてしまう可能性があります。逃げたシロアリが周囲に散らばって、さらに被害が拡大するおそれもあるので注意しましょう。 また室内で殺虫剤を散布することで健康被害を受けたり、床面が汚れて掃除が大変になったりと、二次被害が大きくなりがちです。

掃除機で吸って処理しよう

室内でシロアリを見つけたら、掃除機で吸って処理するのがおすすめです。掃除機で吸えば逃がす可能性も低く、掃除機内には餌がないのでそのまま死んでしまいます。二次被害の心配もないのでおすすめです。 ただし、紙パック式の掃除機を使う場合は、念のためすぐに厚めのビニール袋などに捨てて処分するようにしましょう。

シロアリの駆除に困ったら業者へ依頼しよう

シロアリを完全に駆除するのは、難しい作業です。特に、被害が大きいと思われる場合は、無理をせず速やかに業者へ依頼しましょう。

シロアリ駆除にかかる費用は?

ロアリ駆除にかかる費用は、戸建て住宅でおおよそ10~15万円かかるのが一般的です。住んでいる地域・住宅の大きさ・被害の範囲・駆除する方法によって差がありますので、2社以上の見積もりをとって検討することをおすすめします。 また見積もりの単位が業者によって「㎡」と「坪」の2種類あるので、しっかりと確認しましょう。

信頼できるシロアリ駆除業者の見分け方

たとえ見積もりが安い業者でも、追加料金を請求してきたり、作業がいい加減でシロアリが再発生したりしては本末転倒です。見積もりや無料の事前調査にきてもらったときに、以下3つのポイントをチェックしてみてください。

事前調査は床下に潜るなど丁寧に行っているか

事前調査で床下にも潜らず、すぐに見積もりを出す業者には注意してください。しっかりと対応してくれる業者であれば、事前調査で床下や屋根裏に入り、30分~1時間30分かけて被害状況を丁寧にチェックしてくれます。 丁寧な下調べをしたうえで、最適なプランを提案してくれる業者を選ぶようにしましょう。

説明は丁寧で質問に答えてくれるか

シロアリ駆除には約10万円以上の高額費用がかかります。それだけ技術と薬剤などの道具代もかかってきますが、その説明をきちんとしてくれるか確認しましょう。とくに内訳もなく金額だけの見積もりを出す業者には注意してください。

シロアリ駆除の保証期間と内容をチェック

ほとんどのシロアリ駆除には、5年間の無料保証サービスがついています。ただし、なかには5年未満の保証期間や、5年保証でも保証内容のレベルが低い業者もいます。とくに保証期間の無料点検がない場合や、再発生しても同じ消毒作業しか保証しない業者には注意してください。 短期的な安さだけでなく、しっかりと長く付き合える業者を探すのも大切なポイントです。

シロアリの種類を見分けて適切な駆除をしよう!

シロアリを駆除するには、「自分でやる」・「業者へ依頼する」にかかわらず、種類を見極めて適切な処理をすることが大切です。特に自分でシロアリ駆除をする場合は、丁寧に根気よく作業して、しっかりと根絶させましょう。 もちろん業者へ依頼するときも、業者任せにせず、作業内容や効果についてしっかりと把握しておく必要があります。 早めに適切な対応をして、大切なマイホームをシロアリから守りましょう!!

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