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iemiru コラム vol.243

『街のプロデューサー』を育成!リノベーションスクールとは?

都心に人が集中する一方で、ターミナル駅から少し離れた沿線の商店街や地方都市の商店街では人もまばら。いわゆるシャッター商店街化が目立ちます。 そんな現状をなんとかしたいと考えている商店街のオーナーが存在し、また一方で「自分の店を持ちたい」という夢を持つ若い人たちも大勢います。しかし、接点がなかったり、お互いの思惑が微妙にずれていたりして上手くマッチングしていません。 つまりキャストは揃っているのですが、企画を考え、取りまとめる「プロデューサー」が絶対的に不足しているのです。 そんな「街のプロデューサー」を育成することを目的として企画・運営されているのが「リノベーションスクール」。 今回の記事では、そんなリノベーションスクールの活動内容を紹介し、受講することで「何ができるようになるのか」を解説していきます。 自分の住む街に問題意識を持っている人、街づくりに積極的に関わっていきたい人必見の内容です。

リノベーションスクールとは?

建物だけでなく「街」を再生させる

リノベーションというと部屋や単独の建物のリフォームをイメージする人が多いと思います。 しかしシャッター商店街を始めとする空き家問題は、個別の建物に対応するだけでは解決しません。 買い物に来た人は食事をします。疲れたらカフェでお茶をしたいと思うかもしれません。憩いの場となる公園やアートスペースも必要となってくるのです。 皆が使いやすい街、人を惹き付け活性化された街にするためには、物件と物件の間に「関係性」を作り上げ、街全体を一つの生命体として再構築する必要があるのです。

街を再生させるには「街の文法」を覚える必要がある

街を再生させると言っても、ただ無計画にリフォームを繰り返しただけではバランスの崩れた、使い勝手の悪い街になってしまいます。 学校の英語の授業で文法を学ぶように、街の再生を担当するプロデューサーは街の文法というべき「街が成り立つ仕組み」を学ぶ必要があります。 その文法を教えてくれる学校、それがリノベーションスクールです。

北九州から始まったムーブメントは全国へ拡がった

「欲しい暮らしは自分でつくる」を合言葉に福岡県北九州市で始まったリノベーションスクールは現在全国20以上の場所で開催され、そこで学んだ人たちが更に拡散していくなど、大きな拡がりを見せています。

リノベーションでの街づくりのメリット

初期投資が抑えられるため回収期間が短くて済む

街を普通に再開発しようとすれば、少なくても数十億円、数百億円以上かかることも珍しいことではありません。 そのように多額の資金をかけた再開発計画は資金回収を優先する必要があり、どうしても儲け優先の商業ベースとなってしまいます。 物件のオーナーは資金回収の難しさから参加に難色を示し、大資本主導の街づくりは地元住民などの「想い」とはかけ離れたものになってしまいがちです。 その点リノベーションを用いた街づくりは、お金の代わりに「知恵」を使います。 そのため必要とされる資金が少なくてすみ、資金回収が容易になるため多くの物件オーナーの参加が見込めます。 結果として実際に暮らす住民や利用客にとって使い勝手の良い街づくりが実現できるのです。 この知恵を学ぶ場であるリノベーションスクールは、それぞれの地域の特性を活かした街づくりに最適なコミュニティということができます。

スクール生は全国から様々な人が集まる

日本各地で開催されるリノベーションスクールは、その地元の人だけではなく、テナントが入らず困っている2代目の大家さんや、建築学科の学生などの他、 ・デザイナー ・編集者 ・アーティスト ・街で飲食店や八百屋を営む個人事業主 ・地元をなんとかしたい公務員 ・不動産会社やディベロッパーに勤めるサラリーマン などといった様々な人が全国から集まります。 そのため「地域交流会」・「異業種交流会」といった機能も生まれ、ここで繋がった人脈、仲間と後々大きなプロジェクトを立ち上げるといったことも行われています。

リノベーションスクールって何をするの?

参加費用は2~5万円ほど

リノベーションスクールの参加費用は2~5万円程となっています(教材を含む)。 その他オープニングパーティーと打ち上げパーティーの参加費用が別途かかります。

知識の無い初心者でも参加できる

上で紹介したように、リノベーションスクールに参加するのは建築やデザインを勉強する人だけではなく、街の空洞化に実際に困っている人、街に問題意識を持っている人といった一般の人も多く参加しています。 ただ短い時間で実践的な知識を学び、プランを立案することから、建築やデザインの基礎知識やリノベーションに関する考え方などは事前に用意されたオンデマンド講座や課題図書で予習をしておくことが必要となってきます。

短期集中3泊4日

参加者の多くは別に仕事を持っているため、リノベーションスクールは土日祝日を利用した2泊3日または3泊4日で行われます。 10名程度の「ユニット」に分けられた参加者は、図面の設計から収支計画の作成、さらにはその物件がエリア内に与える影響まで考えるという、通常のビジネスであれば数ヶ月かける内容を短期集中で行います。

建築、不動産、デザイン、飲食などの専門家が講師陣として参加

講師陣は第一線で活躍する建築家、不動産ディベロッパー、空間デザイナーといった建物の専門家のほか、街に必要な飲食、インテリアのプロも参加しています。

遊休不動産を題材に実践的に学ぶ

リノベーションの対象となるのはそのエリアに実在する「リアル」な物件です。 例えば、 ・廃業した銭湯 ・古ぼけた雑居ビル ・閉店した飲食店 などが題材として選ばれ、各ユニットに割り振られます。 各ユニットは構成するメンバーで役割を分担し、総合的なリノベーションプランを作成していきます。

机上の空論ではなく、実際にオーナーに提案し事業化を目指す

イノベーションスクールの最大の特徴は、学習や研修といった「机上の空論」ではなく、実際に物件のオーナーにリノベーションプランを提案し、事業化を目指す点にあります。 実際の事業の成否がかかっているため、授業やミーティングの内容は真剣そのもの。日程が限られていることもあり、深夜まで作業が続くことも珍しくありません。すると自然に「同じ釜の飯を食った」というような仲間意識が生まれ、後のコラボレーションや共同事業化といった状況が生まれやすくなります。 そして必死かつ真摯に取り組むからこそ、生きた知識が確実に身につき、後に自分の地元に帰った時、即戦力として役に立つのです。

参加者自らが事業主となったり、プランナーとして独立するケースも

ユニットでイノベーションプランを作成している間にアイデアが盛り上がり、参加者自身が事業主になるケースもあります。 また、この場で学んだ知識や経験を元に街のプロデューサー、イノベーションプランナーとして独立する人も現れています。

街の活性化には情熱を持ったプロデューサーが必要

人に勉強を教えると、自分の理解も深まるという経験をしたことはないでしょうか。 それと同じで、自分の好きな街を変えようと必死に考えているうちに、いつの間にか自分自身も変わることができたということもあるはずです。 シャッターの閉まった商店が立ち並ぶ街を活性化するためには、街とともに自分自身も「変わりたい」・「変えていきたい」と考える熱い情熱も持ったプロデューサーが必要です。 自分の住む街を大切に思っている人、今の状況をなんとかしたいと考えている人は是非参加してみてください。 街の再生を通して今までであったことのない素敵な仲間、そして新しい自分に出会えるはずですよ。

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