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iemiru コラム vol.301

地盤沈下は恐ろしい?原因や軟弱地盤の見分け方を知って住宅を守ろう!

地盤沈下は住宅の天敵!

住宅を購入する際、土地探しは何を基準に決めていますか?立地や土地の相場などから、一番ベストな場所を見つけようと考えるのが一般的かもしれません。 ですが、その手順の中に、地盤の良し悪しを優先する方はどのくらいいるでしょうか?せっかくこだわり抜いて一生住み続けられる住宅を建てても、地盤沈下が起これば、場合によっては住むこともできなくなり、価値も目減りしてしまうのです。 そこで今回は、住宅を購入する方に事前に知っておいて頂きたい「地盤沈下」についてご紹介していきます。

地盤沈下とは

そもそも地盤沈下とは、土地が徐々に沈下していく現象のことを指します。一度、地盤沈下を起こしてしまうと、自然に元の高さに戻ることはありません。 また、地盤沈下が始まると、一気に沈下が進行する可能性も高くなります。そのため、事前に地盤がしっかりしているかどうかを確認してから、住宅を建てることがとても重要です。

住宅を建てる前の対策が大切!

地盤沈下は、防げるものと防げないものがあります。原因や対策方法は後ほど詳しくご紹介しますが、防げるものに関しては、住宅を建てる前にしっかり調査をしておくこと、その土地の特徴を掴んでおくことが一番の対策であることは間違いありません。 一生に一度のマイホームですから、その手間や費用は惜しまずにしっかり地盤を確認しておくことをおすすめします。

地盤沈下が怖いのはなぜ?

では、なぜ地盤沈下がそこまで恐ろしいと言われるのでしょうか?これには、いくつかの理由があります。

体への影響

地盤沈下によって建物が斜めに傾くと、住んでいる人の体に吐き気やめまいなどの症状が現れることがあります。 また、傾きの傾斜角度によっては、頭痛や食欲不振、睡眠障害まで起こるとさえ言われているのです。このような状態のまま住み続けることは、体調の悪化にも繋がるため、早いうちに対策をとることが必要でしょう。 住宅の傾斜は、水平器などで測ることが可能です。許容範囲としては、新築の場合には0.2度以下、中古なら0.34度以下を目安にしてみましょう。

建物への影響

地盤沈下が起こると、建物は傾いたり、浮き上がってしまいます。他にも、壁に大きな亀裂が入ったり、タイルが割れる、ドアや窓が開かなくなるなどの影響が起こります。 さらに、斜めに傾くことによって、雨漏りが発生するので、住宅へのダメージも広がってしまうでしょう。程度によっては、住み続けることができなくなる場合もあるので、いかに地盤沈下が恐ろしいかがわかりますね。 また、建物への直接の影響ではありませんが、このような状態に陥った住宅は、価値が一気に下がってしまうのです。せっかくのマイホームの価値を守るためにも、地盤沈下に関してしっかり事前の調査を徹底していきたいところです。

自然現象による地盤沈下の原因&対策

続いては、地盤沈下が起こる原因と対策方法について解説していきます。地盤沈下には、地震などの自然現象によるものと、人為的な原因によって起こるものがあります。 まずは、自然現象による地盤沈下について確認してみましょう。

1.土地の乾燥によるもの

その土地が、泥土とも呼ばれる「高有機質土」や、沿岸地域の軟弱な地盤である「飽和粘性土」だった場合、水分を多く含んだ軟弱地盤と考えて良いでしょう。 そのような土地は、水分が蒸発して乾燥した時に土地が収縮して地盤沈下を引き起こす可能性があります。

2.地下水の変動によるもの

自然現象によって地下水が変動した場合も、地盤沈下の進行が進むと考えられています。自然現象による地下水の変動は、短期的なもの、長期的なもの、年間で変動するものがあります。 例えば、台風、低気圧や高気圧、梅雨、降雨、潮位の影響を受けたり、地球温暖化や寒冷化などによっても地下水は変動しているのです。 この地下水位の変動を繰り返すと、住宅の重さに耐えきれなくなり、だんだんと地盤沈下が進んでいきます。

3.地下空洞によるもの

住宅の下の地層に空洞が出来ることによって、地盤沈下が起こる場合もあります。大きな原因の1つが雨水の浸水です。 というのも、地層には元々、小さな空洞が存在します。雨水が地面に吸収されたあと、地層の中の柔らかい部分を伝って流れていきます。 この際、水は地層の空洞部分に流れていきます。そして、次第に空洞がどんどん拡大することで、地盤沈下のリスクを高めてしまうというメカニズムです。 また、自然現象によって地層がずれた際に空洞が出来ることも、地盤沈下の原因の1つです。

自然現象による地盤沈下の対策とは?

自然現象による地盤沈下は、その全てを予測するは非常に困難です。完全に防ぐということは出来ないでしょう。ですが、住宅を建てる際にその地域の地盤をあらかじめ確認することは可能です。 特に地盤が強いとされるのは、ローム層や台地洪積層と呼ばれる地層です。もちろん昔、沼があったなど地域によって違いはありますが、地盤が良好な場所が多いので、1つの見極めポイントになるでしょう。 山地や丘陵地岩盤などは、地盤としては良好ですが、切土や盛土を行う場合には注意が必要です。 一方、地盤が弱いとされているのは、低地沖積層と呼ばれる海の近くの地層です。地盤沈下が起こりやすいので、しっかり対策を施してから住宅を建てるようにしましょう。 地域のホームページなどでも、地盤について情報を提供しているので、確認してみると良いですね。

人為的要因による地盤沈下の原因&対策

続いては、人為的要因によって起こる地盤沈下の原因と対策を確認していきましょう!

人為的原因1.過剰な重さが原因のもの

地盤の強さに対して、建てる住宅が重すぎたり、2階が一部分しかないなど建物のバランスに偏りがある場合、地盤沈下が起こりやすくなります。 建ててから数年しか経っていないような住宅が、ドアや窓の閉まりが悪くなったり、壁にヒビが入っていたりした場合には、地盤沈下が起こっている可能性があります。 早めに専門業者に調査を依頼しましょう。

人為的原因2.過剰な地下水の汲み上げや天然ガス採取

天然ガス採取や農業用水に使うために過剰に地下水を汲み上げた場合、広域で地盤沈下が起こることがあります。 例えば、私たちが水の中に入ると、水中では重力があまりかからず、軽く浮くことができますが、これは土も同じです。水分が多い土地の中で、浮力によってある程度浮いている状態なのです。 ですが、地下水を汲み上げすぎることによって水位が下がると、土の浮力が弱まり、代わりに重力で下へと沈んでいき、地盤沈下へと繋がってしまうのです。

人為的原因3.盛土の締固め不足によるもの

地盤の弱い地域で住宅をたてる場合には、盛土を行ってから建築を始めます。ですが、盛土を行ってからすぐに工事を始めてしまうと、土が固まりきっていないため、雨が降った際に地下水が浸透して地盤沈下を起こしてしまうのです。

人為的原因4.地下掘削によるもの

先ほど自然現象による地盤沈下の説明でも記載した「地下の空洞による地盤沈下」は、近年増加する地下掘削によっても引き起こされているのが現状です。 また、地下を掘削する際に地下水を排水することで、周辺の地盤が沈下することもあります。

人為的要因による地盤沈下の対策とは?

人為的要因による地盤沈下を防ぐには、第一にきちんと地盤調査を行い、地盤の良い土地であるかを見極めましょう。 調査の依頼は、専門の会社に依頼することが出来ます。土地の特徴や環境に関するデータを照らし合わせ、特殊な機械を使ってしっかり調査をしてくれます。 場合によっては、地盤沈下対策に取り組んでいる自治体もあるので、地盤沈下に対してどういった対策を行っている地域なのかを調べることも1つの手がかりになります。 もちろん、地盤の良い土地を選ぶことが一番の対策であることは間違いありません。ただ、事情があり地盤の弱い地域に住宅を建てる際には、しっかり盛土や住宅の重さに関して計算をしてくれる、信頼できる業者に施工を依頼することが大切です。 注意すべき点は、万が一住宅を建築した後に地盤沈下を起こしてしまった場合、住宅会社が負わなければいけない瑕疵担保責任は、基礎や柱などの主要部分や屋根、外壁などが対象で地盤は含まれていないということです。 住宅が傾いただけで、上記で上げた対象部分が損傷しない場合には、保証されないのです。そういった万が一のことを考えて、各保証会社が取り扱っている「地盤保証」というものに加入しておくのも1つの対策です。地盤に対してリスクがある場合には、真剣に検討しても良いかもしれませんね。

軟弱地盤を見分ける方法

先ほどからご紹介している通り、住宅を建てる際には、しっかりと地盤を見極めることが非常に重要です。 軟弱地盤を見分けるには、いくつかの方法があります。家を建てる際に行われる業者による調査もありますが、土地探しの段階である程度の地盤の特徴を予測することも可能です。

地盤調査をする

住宅を建てる際、一部の例外を除いて、地盤調査は必ず行うことになっています。例外というのは、木造2階建て以下の建物で、設計施工基準によるチェックシートの結果、地盤調査が不要と判断された場合です。 そのため、基本的には地盤が弱い場合には必ず地盤調査をすることになるので、弱い地盤を見過ごしてしまうということはありません。その点については安心して良いでしょう。

地名をチェックする

地盤調査に至る前の土地探しの段階で、ある程度地盤の特徴を想像する方法があります。 まず、土地の名前にどのような漢字が使用されているか確認してみてください。例えば「水、谷、沼、船」などの水を連想するような漢字が含まれている地域は、注意が必要です。 また、水辺の植物である「鶴や亀、鷺、鵜」などの漢字が含まれている場合も、軟弱地盤である可能性があります。他には「沢、渋、洲、潟、溝」などの、サンズイが付いている地名ではないかどうかも確認しましょう。

軟弱地盤とされる地形

地形からも地盤の良し悪しを確認することが可能です。一般的に、以下の地盤は軟弱地盤である可能性が高いといわれています。 ● 谷底平野
● 後背湿地
● 湿地
● 河原
● デルタ
● 崖
谷底平野などの、他の土地に比べて高さが低い場所は、周囲の水が流れてきやすく、奥の方まで軟弱な地盤であることが多いです。また、湿地や河原なども、地盤が弱い可能性が高いでしょう。 建物を建てる土地が、どのような土地なのかについて調べるにはインターネットなどで検索したり、お住まいの市区町村で公開されているハザードマップを参考にしてみてください。現在だけでなく過去に、どのような地域だったのかを調べることも大切です。

地盤改良工事にはどんな種類があるの?

もしも地盤調査によって必要と判断されれば、地盤改良工事を行うことになるでしょう。では一体、どのような工事の種類があるのでしょうか?

3種類の地盤改良工事

地盤改良工事には、以下の3種類があります。 ● 柱状改良(ちゅうじょうかいりょう)
● 表層改良(ひょうそうかいりょう)
● 鋼管杭工法(こうかんぐいこうほう)
まず「柱状改良工事」ですが、地面にセメントを流して柱状の支柱を作り建物を支える方法です。表面の軟弱な地層の奥にある良好な地盤まで柱が届くようにして、地盤沈下を防ぎます。 一方「表層改良工事」は、土の表面にセメントを混ぜ込んで地盤を固める工法のことを言います。軟弱地盤の強度は上がり、さらにその下の良好な地盤と一体化させることで、地盤沈下を防ぐ方法です。 最後に「鋼管杭工法」ですが、軟弱層の下の良好な地盤まで50mm程度の単管パイプを複数打ち込んで地盤を固める方法です。

それぞれのメリットデメリット

3種類の地盤改良工事には、それぞれメリットとデメリットがあります。それぞれ簡単にまとめてみましょう。

 
工事の種類 メリット デメリット 
柱状改良  ●軟弱地盤が地表から30m以内まで対応可能
●現状復帰が可能 
●費用が高い
●良好な地盤まで杭が届かないと意味がない
●大型重機が必要
●工事の騒音や振動が大きい
表層改良●比較的安価
●小型重機で工事可能
●地盤に石やコンクリートが入っていても対応可能
●軟弱地盤が地表から2m以内でないと出来ない
●職人さんの技術が強度に影響を与える
●勾配が強いと出来ない 地下水位が高いと出来ない
鋼管杭工法  ●小型重機で工事可能
●良好な地盤がなくても強度を保てる
●軟弱地盤が地表から8m以内でないと出来ない
●施工してから現状地盤に戻すことは非常に困難
●改良杭が残り、土地価格に影響を与える

このように、それぞれに特徴があります。一般的には、戸建住宅に鋼管杭工法はあまり用いられることはなく、地盤の状態によって表層改良や柱状改良が行われることが多いです。 もしも、軟弱地盤だと判断された場合には、しっかりと地盤改良工事をして恐ろしい地盤沈下を防いでいきましょう!

長く住める住宅には良い地盤が不可欠!

住宅を建てる際には、どのような間取りにしようか、どんな素材を使おうか、デザインはどうしようかと、夢ばかり膨らんでいきます。 ですが、その住宅を支える土台である地盤が軟弱であれば、お金や時間をかけて作り上げたマイホームに亀裂が入り、泥の中に沈んでしまうかもしれません。 ぜひ、この記事を参考にして良い地盤を見分け、安心して長く住める住宅を建ててくださいね。

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