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iemiru コラム vol.310

土地評価額を調べる方法を解説!「一物五価」を使い分けて正しく計算しよう!

土地評価額を知るには5つの価格について知ろう!

土地評価額を知りたいシチュエーションといえば「税金を計算したい場合」や「売買したい場合」「適正価格を知りたい場合」などが考えられますね。でも、実際に土地評価額について調べ始めると、5つも価格があることに驚く方も多いのではないでしょうか? 一見わかりずらい5つの価格ですが、なぜ土地評価額を知りたいかという目的によって使いわけることで、それぞれの価格に足りない部分を補い合っているのです。 そこで今回は、土地評価額について詳しく解説していきます。ぜひ、参考にしてみてください。

5つも価格がある理由

そもそも、なぜ土地評価額に5つもの違う価格が必要なのでしょうか? そもそも土地というのは、他の多くの商品に比べて、同じものは1つとしてありません。さらに、土地の価格を決める際には、非常に多くの事柄が絡み合ってきます。 例えば、土地を使う目的や、欲しがっている人が誰なのか、その人の経済状況であったり、売りたい人が希望する価格、土地の状態など、見方を変えるだけで価格が大きく変わることがあり得るのです。 要するに、たった1つの価格では収まりきらない性質があり、さまざまな視点から見て目的に合った価格を設定する必要があったというわけです。

一物五価とは?

目的別に分けられた価格は、大きく分けて5つあります。1つの土地に対して5つの価格がついていることから「一物五価」とも呼ばれているものです。以下をご覧ください。 ● 公示地価
● 基準地価
● 固定資産税評価額
● 相続税評価額
● 実勢価格
実勢価格を除いた4つは、それぞれ国税庁や市区町村などが調査し発表している、公的価格です。

「一物五価」について詳しく解説!

では、具体的に一物五価とは、どういったものでどのような違いがあるのでしょうか?まずは1つずつの特徴を詳しく確認していきましょう。

1.公示地価

公表している団体  国土交通省
公表している時期 1月1日時点の価格を毎年3月に公表 
目的  公正な価格を知るため 

まず1つ目に公示地価について解説していきます。 公示地価は「地価公示法」という法律に基づいて、毎年1月1日時点の価格を国土交通省に選ばれた不動産鑑定士が調査し、毎年3月に公表しています。 調査する地点は、都市計画地区などの町づくりを進めている地域を中心に、全国で2万6000箇所(2018年時点)定められていて、毎年変わるわけではないので変動がわかりやすい点も特徴です。 後ほど解説しますが「固定資産税評価額」「相続税評価額」の基準にもなる額で、一般の土地取引などの目安にもなっています。この価格は一般公開されており、国土交通省のサイトで閲覧することができます。

2.基準地価

公表している団体  都道府県
公表している時期 7月1日時点の価格を毎年9月〜10月頃に公表 
目的  公正な価格を知るため 

続いては、基準地価についてです。 基準地価は、公示地価に似ていますが、以下のように大きな違いが3つあります。 ● 調査する時期が7月時点であること
● 公表する団体が都道府県であること
● 基準となる法律が「国土利用計画法施行例」であること
それ以外の部分に関しては、価格の目的、価格の評価方法などは、ほとんど公示地価と同じと考えて良いでしょう。また、公示地価の対象地域は都市計画区域が中心ですが、基準地価は商業地、工業地、林や池なども調査範囲に含まれています。 他にも、基準地価の調査地点は公示価格よりも少ないものの、対象範囲が広いという点があります。これらの違いによって、国土交通省の公示地価に含まれない部分を補っているという側面があるのです。                        

3.固定資産税評価額

公表している団体  市町村
公表している時期 1月1日時点の価格を3年毎の4月に公表  
目的  固定資産税の算出に使用 
公示地価を100とした場合の割合  約7割 

続いて固定資産税評価額は、市区町村が公表している評価額です。固定資産税を計算する際に使われます。固定資産税評価額の調査は、自治体担当者によって不動産1つずつに対して行われます。 基本的には、1月1日時点の価格を3年毎の4月に公表していますが、それ以外にも毎年6月に送られてくる「固定資産税決定通知書」でも確認することができます。 固定資産税評価額は、その土地の公示地価に対して、7割くらいの金額が目安です。

4.相続税評価額

公表している団体  国税庁
公表している時期 1月1日時点の価格を毎年7月に公表  
目的  相続税の算出に使用 
公示地価を100とした場合の割合  約8割  

続いて相続税評価額は、相続税を計算する際に使われる評価額です。相続税評価額の計算には「路線価方式」と「倍率方式」という2種類の計算式が使われます。 路線価方式を使うのは、その土地の前にある道路に「値段(路線価)」がつけられている場合です。そもそも土地の価格は「時価」で計算していくのが基本なのですが、時価だとどの時期に計算したかによって差が出てきたり、多くの労力がかかるという問題があるため、土地の前の道路自体に値段をつけて土地の評価額を計算しようというものです。 一方、倍率方式を使うのは、土地の前の道路に路線価が付いていない場合です。この場合には、先ほどご紹介した「固定資産税評価額×倍率」という計算式で相続税評価額を算出することになります。 相続税評価額は、公示地価に対して8割程度が目安です。

5.実勢価格

公表している団体  不動産会社など
公表している時期 特に決まっていない  
目的  土地の売買価格 

最後に、実勢価格についてです。実勢価格は、実際に取引される価格のことで、不動産物件の時価とも呼ばれます。 過去の取引の平均から導き出される価格ですが、現実的には過去に安い取引も高い取引もあり、未来においても買い手売り手間の交渉によって大きく価格が変動するため、必ずこの売買価格になるというものではありません。 その点はしっかり理解しておきましょう。

不動産鑑定士による鑑定評価額とは

一物五価に加えて、不動産鑑定士による鑑定評価額というものもあります。この点について説明していきましょう。

不動産鑑定士とは?

不動産鑑定士とは、不動産についての適正な経済価値を判定する専門家で、国家資格の1つです。司法試験や公認会計士試験に並んで特に難しいと言われています。 主な業務は、先ほどご紹介した相続税評価額を割り出すための路線価を評価したり、地価公示法に基づいて公示地価の鑑定評価をするというものです。 この非常に高い専門的な知識を持った不動産鑑定士に評価を依頼すれば、厳密で客観的な価格を評価してもらうことができるでしょう。しかも、その証明力の高さは公的機関でも使われるほどのものです。

3つの鑑定評価手法

不動産鑑定士が土地価格の評価を行う際には、以下の3つの方法が採用されています。 ● 収益還元法
● 取引事例比較法
● 原価法
まず、収益還元法は、文字通りその不動産から予測される純利益と今現在の価値から、土地価格を評価する方法です。 一方、取引事例比較法は、不動産の取引価格と比較しながら、取引の時期や市場の動向も見極めつつ、価格を決めていく方法をいいます。 最後の原価法は、仮に再度その不動産を建築した場合の原価を計算し、築年数により下がってしまった価値を踏まえて価格を修正していくものです。 不動産鑑定士への依頼価格は、15万円程度からが相場のようですが、土地価格の高さに比例して鑑定料も高くなっていきます。一物五価の他にもこういった鑑定方法があるということも覚えておくと良いでしょう。

5つの土地評価額はこんな場合に使おう!

土地には5つの価格があることはわかったけれど「いつどの価格を参考にしたらいいの?」と混乱している方もいらっしゃるのではないでしょうか? 目的によって使う評価額が変わってくるので、まずは売買をしたいのか、税額を知りたいのかという点を明確にしてみてください。その上で、5つの土地評価額をどのように使い分けるのかについて解説していきましょう。

土地の売買価格を知りたい場合

土地の売買価格を知りたい場合には「実勢価格」を参考にします。実勢価格は、国土交通省の運営している「土地総合情報システム」というサイトにて確認することができます。 ただし、先ほど解説したように、実勢価格は実際の売買をする価格とは異なる場合があります。実際の取引の際には、誤差が出るということをしっかり認識しておくことが大切です。

贈与税や相続税を知りたい場合

贈与税や相続税などを計算したい場合には、税額の基準となる「相続税評価額」や「固定資産税評価額」を確認する必要があります。先ほど、相続税評価額には、路線価方式と倍率方式があるとご紹介しました。 対象の土地の前の道路に路線価がある場合には、毎年送られてくる「固定資産税の納税通知書」に記載の土地の地積(面積)に、路線価をかけて相続税評価額を計算します。路線価は、国税庁のホームページで確認することができます。 一方、路線価がない「倍率地域」である場合は「固定資産税の課税証明書」に記載の土地の評価額に地域ごとの倍率をかけて相続税評価額を計算します。この倍率は、国税庁のホームページの「評価倍率表」から確認しましょう。

固定資産税を知りたい場合

固定資産税を知りたい場合には、固定資産税評価額を使用します。この額を確認する方法は以下の通りです。 ● 固定資産税の課税証明書の「価格」欄で確認する
● 固定資産課税台帳で確認する
● 固定資産評価証明書を取得して確認する
課税証明書は市区町村から届く通知書に添付されているものです。固定資産課税台帳は、納税義務者か相続人、借地人、借家人などが申請することで閲覧ができます。必要な書類に必須事項を記入して閲覧を申請しましょう。 固定資産評価証明書は、先ほどの固定資産課税台帳の内容を証明する書類です。この証明書の発行にも申請が必要です。

純粋な土地価格が知りたい場合

例えば、住宅の購入を検討している時など、土地価格の高い場所に建築した方が後々に売却する際にも有利になることが多いでしょう。 そのような場合、実勢価格を参考にしても、売り手や買い手の個々の事情も踏まえた価格になっているため、純粋な土地価格とは誤差が出る場合があります。こういった場合には「公示地価」や「基準地価」を使用して価格を確認します。 それぞれ、国土交通省のサイト内にある「国土交通省地価公示・都道府県地下調査」のページから確認が可能です。 この公示地価や基準地価は、公正に判断されている価格なので、周辺の地域の価値を判断する指標の1つにもなるでしょう。

土地評価額に関する疑問を解決!

最後に、土地評価額に関する疑問にお答えしていきます。

どうして土地評価額が下がるのに税額が上がる場合があるの?

地域によって評価額に格差が出ないように調整されているからです。負担水準が高い土地の場合は税額を引き下げたり、据え置いたりし、逆に負担水準の低い土地の場合は、税金の負担を上げるといったような仕組みです。 地価が上昇している訳ではないのに税額が上がっている場合は、その土地が負担水準の低い土地であることが考えられます。

他人の土地の評価額を調べることは出来る?

固定資産課税台帳の縦覧制度(じゅうらんせいど)を利用すれば、同じ地域の他の土地や家屋の評価額を帳簿で確認することができます。確認できるのは、資産の所在地と、固定資産税評価額です。納税義務者の名前までは確認できないようになっています。 この制度には、自分の土地や家屋が、地域の評価額と比べて適正かどうかを判断するために設けられたという経緯があります。 また、閲覧するためにはいくつかの条件を満たす必要があります。 ● その地域にある土地や家屋の固定資産税納税者・もしくはその同居の親族である
● 申請するのに本人確認できる書類が必要

目的に適した土地評価額を使い分けよう!

今回は少し難しい話「土地評価額」について解説してきました。1つ明らかなことは、土地の価格というものは多くの要素が複雑に絡み合っていて、1つの価格ではいろいろな問題が出てきてしまうということです。 それを補うために、土地評価額を使う目的別に5つの価格が設定されているのです。普段から不動産関係の仕事をしている人でない限り、突然発生した相続や贈与、土地の売買などで土地評価額を知る必要が出てきた時、ほとんどの人が混乱してしまうのではないでしょうか? ぜひこの記事で、少しでも疑問が解決すれば幸いです。

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