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iemiru コラム vol.323

基礎工事は家作りの重要工程!手抜き工事を回避するチェックポイントとは?

基礎の重要性を知っておこう!

家を新築する時、とても重要となるのが「基礎工事」です。家を建てた後に、基礎工事の内容を確認することは難しいため、施行中に確認をすることが必要です。 一生に何回もない家づくりだからこそ、事前にきちんと知識を身につけて確認をすることは、妥協してはいけないポイントだと言えるでしょう。 そこで今回は、家の基礎づくりの手抜き工事を回避するために、チェックすべきポイントをまとめました。

そもそも基礎とは

そもそも家の基礎というのは、その建物を支える土台の部分のことです。主に、家の重さを地面に伝えるという役割があります。この土台を作る工事を「基礎工事」を呼びます。 基礎工事にはいくつかの種類があり、その建物が建つ地盤の硬さなどによって、工法も変わってくるのです。

短命な日本の家の寿命と「長期優良住宅」

実は、世界に比べると日本の家の寿命はとても短いと言われています。一説によると、家の寿命は、イギリスは100年、ドイツは80年、アメリカは50年、そして日本は30年と言われているのです。 その原因の1つに、戦後、家の新築によって産業を活性化していた背景があります。家は築20年を過ぎたら資産価値はゼロになるという考えも広く浸透しているのが現状です。 その為、基礎に使うコンクリートは、耐久年数30年で計算された水とセメントの比率で作られている場合がほとんどを占めていました。コンクリートの耐久性の低さは、鉄筋を錆びさせて、家の基礎寿命を短くしてしまうのです。 良いものを長く使う、メンテナンスしながら資産価値も上がって行くイギリスなどとは真逆です。 そこで、最近になってようやく誕生したのが「長期優良住宅」という、長期にわたって安心して暮らせる家作りを応援する制度です。その、長期優良住宅に必要な条件「耐久性」において「基礎」はとても重要な役割を持っています。 なぜなら、どんなに上物を頑丈に作ったところで、高温多湿で地震大国の日本では基礎が頑丈でないと家が長持ちしないからです。それだけ、基礎は家の要の部分と言えるでしょう。

基礎工事の種類は3つ

基礎の重要性がわかったところで、続いては基礎のことを学んでいきましょう。まず、基礎工事にはどんな種類があるのでしょうか?

ベタ基礎

現代の日本の住宅に多く採用されているのが、ベタ基礎です。ベタ基礎は、家の床下部分全体にコンクリート打設※をして作られる基礎です。また、床下のコンクリート部分まで鉄筋が入っている点も特徴です。 ※打設…コンクリートを流し込むこと ここで、ベタ基礎のメリットとデメリットについて確認してみましょう。

メリット

● 建物の重さを地面全体に分散する
● 地中からのシロアリ侵入を防ぐ
● 地面からの湿気を防ぐ

デメリット

● コンクリートの使用量が多くコストが高い
● 新築から1〜2年はコンクリートから水分が出るため対策が必要

布基礎

布基礎とは、日本の住宅に昔から使われてきた基礎です。床下全体ではなく、家の壁に沿ってコンクリートを打設します。断面図は縦に逆T字がいくつも並んだような形をしていて、それを薄いコンクリートで横に繋げています。また、鉄筋は使用されません。 では、布基礎のメリットとデメリットを確認してみましょう。

メリット

● コンクリート使用量が少なくコストが抑えられる
● ベタ基礎よりも縦に長いので集中的にかかる重さに強い
● ベタ基礎より基礎自体が軽く地盤に負荷がかからない

デメリット

● 床下空間がないのでメンテナンスの点検や修繕が困難
● 長期優良住宅に認定されない

SRC基礎

SRC基礎は、蓄熱床工法や逆ベタ基礎とも呼ばれる工法です。床下空間がない点が特徴です。まず、外周は立ち上がり基礎で形成され、内周にはH形鋼材と呼ばれる素材を組み込みます。 さらに、床下いっぱいにコンクリートと砂利を敷き詰める工法です。メリットとデメリットはこちらです。

メリット

● 床下自体がないため、湿気が入る余地がない
● シロアリや腐朽菌が発生しない
● 地中からの蓄熱で天然の床暖房効果がある
● 地震の揺れを吸収して分散
● 床下がないから床下浸水が発生しない

デメリット

● コンクリート打設がベタ基礎より1回多いので工程が長く大変

ここでご紹介した3種類の基礎工事は、どれが一番良いということはなく、地盤の状況などから、適切な工事を選ぶことが重要です。

基礎工事の工程を把握しておこう!

続いては、基礎工事がどのような流れで行われるのか流れを把握しておきましょう。基礎工事の流れを知ることは、現場にチェックをしに行く際にもある程度の進行状況や何をしているかがわかるため、大切なことです。 ここでは、一番多くの家で採用されているベタ基礎の工程をご紹介します。

地縄張り〜砕石敷まで

1. 地縄張り
2. 根切り
3. 砕石敷き
地盤調査が終わったら、家を建てる場所の外周に縄やロープなどで印をつける地縄張りを行います。続いて、建物を建てる一番低い位置まで、重機を使って掘り返す根切りを行い、続いて細かく砕いた石を敷き詰めて地面を固めていきます。 ここまでは、地耐力を確保するために行われる工程です。基礎工事の中の「基礎」でもあるので、しっかりと施工してあるか確認しましょう。チェックポイントは、後ほど解説していきます。

防湿シート敷き〜基礎外周の型枠組みまで

4. 防湿シートを敷く
5. 捨てコン
6. 鉄筋組み
7. 基礎外周の型枠組み
続いては、地面からの湿気を防ぐ効果のある防湿シート(ビニールシート)を敷いて、さらに周りに捨てコンと呼ばれるコンクリートを流して平らにしていきます。 ちなみに、捨てコンは、強度には関係なく印をつける目的で流されるものです。ヒビが入っていても心配ありません。 さらに、その上に鉄筋を組んでいき、基礎の外周にコンクリートを流す為の型枠を組んでいきます。

床の生コン打設〜立ち上がりの生コン打設

8. 床の生コン打設
9. 内部の型枠組み
10. アンカーボルト設置
11. 立ち上がりの生コン打設
続いては、先ほど組んだ型枠の中全体にコンクリートを流し込み、コンクリートが乾くのを待ちます。コンクリートが乾いたら、今度は基礎内部にまた同じように型枠を組んでいきます。 続いて、基礎の立ち上がり型枠に合わせて、基礎と土台を繋ぐ「アンカーボルト」を設置する工程です。ボルトが設置できたら、基礎の立ち上がった枠組みの中にコンクリートを打設します。ここまできたら、あと少しです。

養生〜仕上げまで

12. 養生
13. 型枠をはずす
14. 雑コン
15. 仕上げ
コンクリートの打設が終わったら、しっかり強度が出るまでの間に破損しないよう養生をしていきます。強度が出るまでの期間は、季節や温度にも影響されるため、だいたい3日〜5日程度を目安に考えておきましょう。 コンクリートの強度が出たら、型枠を外していきます。雑コンと呼ばれる工程では、勝手口の土間を作ったり、つなぎ目のいらない部分を削り取ったりといった仕上げを行なっていき、基礎工事は終了です。

基礎の寿命を高めるには?

基礎工事の工程がわかったら、次は一番肝心となる基礎の寿命を高めるポイントを確認していきましょう。これを知ることで、後ほどご紹介する基礎工事の際のチェックがより理解できるようになります。

基礎の寿命は鉄筋にかかっている

先ほどの工程でもわかったように、基礎はコンクリートと鉄筋で出来ています。この内、コンクリートは、古代ローマ時代から使われていることから「長期間保つ素材」ということがわかります。 一方の鉄筋は、「錆びる」素材です。基礎において、コンクリートの中の鉄筋が錆びるのは、コンクリートが当初のアルカリ性から中性に変化していった際の影響です。 コンクリートの中性化していった部分が鉄筋部分まで及んで、鉄筋の20%が錆びてしまった状態が鉄筋の寿命と言われています。ということは、基礎の寿命を延ばすポイントは、いかに鉄筋を錆びさせないかということでもあるのです。

鉄筋のサビを防ぐ5つのポイント

鉄筋を錆びさせないポイントは、5つあります。 1. 厚みを増すこと
2. 密度を高めること
3. 正しい施工を行うこと
4. 正しい養生を行うこと
5. 基礎の表面をしっかりコーティングすること
1つずつ見ていきましょう。まず1つ目は、これはコンクリートの厚みを増すということを指します。「かぶり厚」と呼ばれる、中の鉄筋表面からコンクリート表面までの最短距離のことで、かぶり厚が厚いほど、鉄筋は外側から中性化していくコンクリートの影響を受けずに済むからです。 続いて2つ目は、コンクリートの密度を増すということを指します。コンクリート密度とは、水とセメントの比率で決まり、セメントの比率が多いほど密度の高いコンクリートとなります。この密度を耐久性がもっと高い年数に相当する密度にするということです。 3つ目の正しい施工とは、コンクリートの施工時にしっかり中の空気を抜くことを指します。というのも、コンクリートの強度は、中の空洞(ジャンカ)が多いほど低下するからです。そのためには、バイブレータをしっかりかけて締固めをすることがポイントとなります。 4つ目は、コンクリートの乾燥を防ぐための養生をしっかりすることです。コンクリートは、セメントと水との水和反応でゆっくり固まるため、長時間乾燥を防ぎ、水を供給し続ける必要があります。この乾燥を防ぐためには、正しい養生が不可欠なのです。 最後のコーティングですが、これはコンクリートが中性化するのを防ぐためのポイントです。コンクリートは元々アルカリ性で、その間は鉄筋が錆びません。コンクリートを中性化するのは、空気中の炭酸ガスが原因と言われています。 これを防ぐためには、コンクリート専用のコーティング剤でコーティングする方法が有効です。さらに、中の水分も逃さないため、打設してから数年、コンクリートの水和反応が続き強度も増していきます。 この5つのポイントを満たした基礎は、長い寿命を保つことができるでしょう。

着工前にチェックしたいポイント2つ!

それではいよいよ、基礎の着工時に何をチェックしたら良いのかを確認していきましょう!まずは、着工前にチェックしておきたいポイントを2つご紹介します。

基礎伏図やプレカット図は渡された?

1つ目のポイントは、基礎伏図(きそぶせず)やプレカット図を受け取ったかという点です。なぜなら、現場でチェックをするには、この2つの実施設計図が必要になるからです。必ずこの2点を渡してもらえるように依頼しましょう。

土地にあった工法が採用されている?

土地にあった基礎工事が選ばれているかどうかについても確認しましょう。ベタ基礎は、もっとも多くの家が採用していますが、布基礎に比べて価格は高くなっています。 地盤がしっかりしている土地や、地盤改良がしっかり行われている場合には、布基礎を採用しても大丈夫です。地盤の状況と合わせてよく検討しましょう。

着工後にチェックしたい10のポイント!

続いては、着工後にチェックしたい10のポイントをご紹介します。

配筋をチェック!

まず、基礎工事の前半で鉄筋を組み立てて、型枠を作る際のチェックポイントです。 ● 鉄筋と型枠との間に4cm以上の間隔が空いている?
● 隣の鉄筋との間は30cm以内になっている?
鉄筋と型枠との間隔は、鉄筋が錆びないようにかぶり厚が分厚いかどうかの確認です。鉄筋の間隔は、これ以上空くと基礎の強度が弱くなるためしっかり確認しましょう。

アンカーボルトをチェック

続いて、アンカーボルトを設置する際のチェックポイントです。 ● アンカーボルトがコンクリートの中央に設置されている?
● アンカーボルト同士の間隔は2.7m以内?
アンカーボルトは、基礎と土台を繋ぐ大切な部分です。偏りがないかどうか、間隔が開きすぎていないかしっかりチェックしましょう。

型枠を外すまでの日数や天気をチェック

続いて、型枠を外すまでの日数を確認します。 ● 最低でも4日以上は空いているか?
● 雨が降った場合、その翌日に型枠を外していないか?
型枠を外すタイミングは、コンクリートの強度に影響してきます。型枠を外すまでに最低でも4日は開いているか確認します。また、通常、雨の日の翌日には型枠を外しません。天候もチェックしておきましょう。

基礎サイズをチェック

基礎の立ち上がり枠組みまでコンクリートを打設したら、ここでサイズを確認しておきましょう。 ● 基礎立ち上がりの幅は12cm以上あるか?
● 基礎の外周は地面から一番上まで30cm〜40cm以上あるか?
● 地面から捨てコンまでの高さは24cm以上あるか?
● 内側の立ち上がり高さは外周の立ち上がりより5cm低いか?
捨てコンは冒頭で説明した通り、防湿マットの上に流した床部分のコンクリートのことを指します。基礎の幅がしっかり取れていないと、基礎が弱くなってしまいます。メジャーを持っていき測ってみましょう。

基礎工事に関する疑問にお答え!

最後に、基礎工事に関する素朴な疑問にお答えしていきます!わからない点は曖昧にせず、クリアにしておくことが大切です。

基礎工事って誰がやるの?

基礎工事は、大工さんが行う場合もありますが、多くは基礎を専門としている職人さんが行うことが多いようです。 基礎を作るには、それなりの技術と正しい知識が必要となります。そのため、大工さんが行う場合にも詳しい人が担当することがほとんどです。

職人さんに質問してもいい?

コンクリートの打設などの作業は中断できないので、作業の様子を見ながら質問してみても良いでしょう。ただ、もし工事内容についての不安がある場合は、職人さんに直接言うのは避けた方が良いかもしれません。 現場監督や工務店の担当者などを通して聞いてみるのがベストです。

見学に行くと嫌がられる?

そんなことはありません。きちんとした施工をしてくれているなら、施主が見学に来てくれていろいろな話をする機会がある方が、仕事にもやりがいを感じるはずです。 また、見学に車で行く場合は、作業の邪魔にならない場所に車を停めましょう。そういった心配りも大切です。

何時頃見学に行くのがベスト?

10時や15時頃に顔を出すと、休憩前であることが多く、ゆっくり話ができる可能性が高いようです。時々、飲み物などの差し入れを持って行くのも良いかもしれません。

基礎工事は必ずチェックしに行こう

家の基礎工事は、事前知識がないと何をしているのか素人には全くわからないと思います。自分の大切な家の基礎を、手抜き工事ではなくきちんと丁寧な作り方をしてもらうためにも、きちんと事前知識を身につけておく努力が大切でしょう。 また、つい「嫌がられるのではないか?」「面倒だから」「忙しい」といった理由で、基礎工事を全く見にいかない方も中にはいると思います。ですが、事実、ずさんな基礎工事というものは存在するのです。 もし、基礎が手抜き工事になってほしくないのであれば、しっかり自分でもチェックしに行くことが大切なのではないでしょうか? あなたの家が、長く安心して住める最高の土台の上に建つことを、心より願っています。

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