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iemiru コラム vol.396

雪見障子で和モダンな雰囲気に!ガラス障子の種類やメリットとは

雪で飾られた庭を眺め、楽しむ粋な障子「雪見障子」。雪景色だけでなく四季折々の移りゆく風景を楽しむために造られた障子のひとつで、昔から日本で親しまれてきました。 雪見障子は、下半分がガラスになっている障子です。雪見障子のように、一部または全体にガラスを使用したものを総称して「ガラス障子」といいます。 ガラス障子は地域や気候、その用途に合わせて種類やデザインも様々。今回は、そんなガラス障子の特徴や魅力をお伝えしていきます。

伝統の雪見障子の魅力とは

雪見障子をご自宅で使っていなくても、旅館や中庭のある料亭などで一度は目にしたことがあると思います。情緒溢れる空間で和やかな気分にしてくれる日本伝統の雪見障子。その魅力はどこにあるのでしょうか?

下半分がガラスになっている

雪見障子の形状は上半分が通常の障子紙、下半分が薄いガラスになっています。障子は日本固有のもので平安時代から使われている建具の一種。障(さえぎる)子(道具)という意味があり、部屋の仕切りや目隠しとして利用されてきました。 障子は、閉めていることが多い建具です。そのため雪見障子は、ガラスを利用することで閉めたままでも、外の景色を楽しめるように造られたユニークな建具と言えます。障子を取り払ったり、すべてをガラスにするのではなく、敢えて下半分だけをガラスに差し替えています。 また外の景色を見ない時は、ガラス面から冷たい空気の流入を防ぐために、孫障子という上下に動く可動式の障子を使うこともあります。上げ下げできる障子とガラスの二重構造にすることで暖かい空気を逃がさず、障子としての機能性も保てるデザインになっているのです。

外の景色を楽しめる粋な障子

雪見障子は限られたガラス面の中だけで、外の景色を楽しむデザインになっています。外の景色を見たいのであれば障子を開ければいいのですが、敢えて視界を遮るという粋な発想のもと造られているのです。 狭い視界で景色を眺めると、新しい発見があったり、奥深い味わいを感じられます。さらに、上半分の障子に映る木や小鳥の影が、よりドラマチックな景色を演出してくれます。遮るものがないそのままの景色と比べると、一味も二味も異なる奥深さがあるのです。 また、畳に座って見る景色と立って見る景色がまるで違って見えることがあります。座って見れば、地面を間近で捉えながら、庭の奥行きまで感じることができます。立って見ると角度が代わり、足元に降りしきる雪や障子に映った揺れ動く木々の影が想像力を掻き立て、雪見障子全体から情緒ある風景を楽しむことができます。 雪見障子に上下可動式の孫障子が付いていれば、景色が見える範囲を調整することも可能です。目線の高さや角度によって異なる景色が映し出される点も雪見障子の魅力ですね。

ガラス障子の種類

ガラスが組み込まれている障子全般を「ガラス障子」と言います。デザインやガラスの組み込まれ方は様々なものがあります。日本の住居でよく使われているガラス障子をいくつかご紹介します。

縦額障子と横額障子

ガラスを額縁に入れたようなデザインが特徴的なガラス障子。総称して「額入り障子(がくいりしょうじ)」と呼びます。ガラス部分が縦長に組み込まれているものを縦額障子(たてがくしょうじ)、ガラスが横長に組み込まれているものを横額障子(よこがくしょうじ)といいます。 ガラスを通して外を見ると、庭先の風景がまるで額に入れた絵画のように映し出されます。ガラス面を広くとらずに、敢えて額縁程度の隙間から庭先を覗きみるデザインは、日本人らしく繊細で情緒深い演出をしてくれます。 ガラス面は外の景色が見えるタイプとすりガラスや柄が付いたガラスを使って、ガラスが透けないように施してあるタイプがあります。ガラスが透けないタイプのガラス障子は、外の景色を覗く用途ではなく、障子そのもののデザインを特徴づけるためにガラスを取り入れています。

直ガラス障子

直ガラス障子は「じかガラスしょうじ」と読みます。障子の下部がガラスになっているデザインです。額縁に入っておらず直接ガラスがはめ込まれていることから「直ガラス」と名付けられました。ガラスの強度を保つために周りは「押し縁(おしぶち)」という縁で囲まれており、下部には高さ30cmくらいの木の板がはめ込まれています。 縦額障子や横額障子と比べるとガラス面が広くとられていて、室内に光をより多く取り入れられると共に解放感を演出してくれます。ガラスはすりガラスにしたり模様が入ったガラスにすることで、デザインを楽しんだり透けて見えないように工夫しているタイプもあります。

東障子

東障子は「あずましょうじ」と読みます。吾妻障子(あずましょうじ)とも書きます。東障子は、紙ではなくすべてにガラスをはめこんでいます。(一部分をガラスにしたり、ガラスではなくアクリル板を使っている場合もあります) 全面ガラスにすることで光を取り入れやすく解放的に見えるため、キッチンや廊下などの仕切りドアに使われることが多い障子です。 インテリアとしてもデザイン性が高く、居室のイメージに合わせてモダンな雰囲気にすることも可能です。洋室にもフィットしやすい障子で、枠組みを白やヴィンテージブラウンにすると格子ガラスやガラス戸のようにも使えます。

猫間障子と同じもの?

猫間障子(ねこましょうじ)という可愛らしい名前の障子もあります。しかし、実はガラス障子の一種ではありません。形は雪見障子ととても良く似ているため間違いやすく、地域によっては雪見障子と同じように扱われていることもあります。

猫間障子とは

猫間障子は、猫が通る隙間を設けた障子です。障子の下部が上下に開くように設計されていて、障子を開けると猫が通れるようになっています。そのため、障子が張っていない部分にガラスは組み込まれていません。 家で飼われている猫が、部屋の出入りをする際に障子を簡単に破ってしまうことから、障子を潜り抜ける道を設けたのが由来です。しかし、障子紙やガラスがないとスースーと風が入ってきてしまうために障子を可動式にしています。 下部が上下に可動するタイプを摺上猫間障子(すりあげねこましょうじ)と言います。他にも左右に可動するタイプもあり、引分猫間障子や片引猫間障子と呼ばれています。開く大きさは様々で、障子のおよそ半分が開くタイプもあれば、小窓のように猫が通る分の小さな隙間しか開かないタイプもあります。

近年は同じように扱われている

一部関東地方では、ガラスの入った摺上雪見障子を「猫間障子」と呼ぶこともあるそうですが、一般的にガラスが入った障子は「雪見障子」を指します。 猫間障子と雪見障子は、用途もデザインもまったく異なるものですが、時代と共に変化を遂げる過程で、同じように扱われるようです。 なぜ、呼び名とデザインが混在したのか確かではありませんが、仕様が変わっても愛着のある呼び名だけが長く親しまれているのかもしれませんね。

注文時には要注意!

猫間障子にはガラスがなく、雪見障子にはガラスがついています。また上下に可動する障子が取り付けてあるものを「摺上○○障子」または「上げ下げ障子」と言います。 リフォーム業者や工務店に「猫間障子にしてください」と注文をすると、ガラスが付いていない障子が取り付けられることがあります。地域によって猫間障子という呼び名が浸透していても、正式名称で伝えると確実です。ガラスが付いていて上げ下げできる障子が組み合わされているものは、「摺上雪見障子」になります。 注文する際は、参考写真を見せたり障子の仕様を正確に伝えるなど工夫すると安心です。

障子を活用するメリット

障子は日本古来から使われているインテリアですが、愛され続けているのには様々なメリットがあるためです。障子は、日本の気候や風土に合った特徴を持っています。

断熱性が高い

障子の紙は断熱性が高い素材です。障子紙は窓から入ってくる冷たい空気を遮断し、室内温度を維持する働きがあります。 日本の住宅では、冬場には室内の暖かさのおよそ6割は窓から逃げていきます。そのため、住居の窓にはカーテンや障子を設けて断熱性をアップさせますが、障子は二重カーテンに匹敵する断熱性を持っているといいます。 また吸湿性もあるため湿度を調整する効果も期待できます。冬場に発生しやすい結露予防にもなり、快適な住空間を保ってくれます。

邪魔にならない

障子は紙と細い木材でできているため、薄く軽い造りになっています。引き込み障子にすれば、数枚の障子をまとめて納めることができるため住空間の妨げになりません。カーテンのようにヒラヒラせず厚みがないため、窓際がスッキリとした印象になります。 また、白い障子紙は光を通しながら佇まいが清々しく圧迫感がありません。部屋を仕切る役割がありながらも開放的な空間を演出してくれます。

日光を和らげる

障子紙の光透過率は40~50%と言われています。直射日光は畳や家具の日焼けや傷みの原因になります。また、紫外線は肌への影響も否めません。 障子は強い太陽光を和らげながらも、部屋を適度に明るく照らしてくれる働きがあります。また、一点に集中している太陽光も障子紙を通過することで程よく拡散させ、居室全体に柔らかく均一な陽射しを与えてくれます。障子のある和室が和やかで上品な空間なのは、この障子の光効果が影響しています。

ガラス障子のデメリット

ガラス障子には、ガラスの長所と障子の長所を活用した様々な魅力がありますが、一方で欠点もあります。障子やガラスはメンテナンスが必要不可欠で、繊細な性質があるためです。

断熱性が弱まる

ガラスは障子紙に比べて断熱性が低い性質があります。居室の外側が寒い時、障子紙は冷たくなりませんが、ガラスはヒヤッと冷たくなります。ガラスは熱の伝導率が高いため、居室の暖かい空気をどんどん奪ってしまうのです。 特に雪見障子は下半分がガラスであるため、冬場には足元へスースーと冷たい空気が流れ込みます。そのため、雪見障子のほとんどには孫障子が付いていて下半分はガラス面と上げ下げできる可動式の障子の二重構造になっています。 美しい雪景色を見る時は孫障子を開けて景色を眺めますが、使用しない時は全面を障子にして寒さを凌ぎます。

メンテナンスが必要

ガラスは結露しやすいため汚れやカビが付着しやすい性質があります。またガラスに水滴やほこりがつくと、表面が曇って汚れが目立つためこまめに掃除が必要です。 障子紙も同様に、1年ほど経つと太陽光によって日焼けをするため紙が黄ばんできます。真っ白い障子紙と比べると汚れているように見えるため、清潔な空間を保つには1年に1回程度は貼替える必要があります。

障子が破れやすい

障子紙は繊細で薄手の和紙を使っているため破けやすいことが特徴です。「掃除機があたった」「洗濯物を引っ掛けてしまった」など、日常生活のちょっとした不注意でもすぐに穴が開きますし、子どもは遊びながら興味本位で破いてしまうこともあります。 ガラス面も障子紙に合わせて薄いガラスを使用するため、非常に割れやすくなります。ちょっとした衝撃でもヒビが入ることがあるため、子どもがいる家庭ではガラスの代わりにアクリル板を使ったり、障子紙はプラスチック製の破れない障子紙も人気です。

雪見障子を取り入れて和風なオシャレ空間に!

絵画のように外の景色を楽しむという粋な雪見障子は、情緒がありながらもオシャレな和の空間を演出してくれます。最近はメンテナンスの必要性やコストの問題で、見かけることが少なくなっていますが、こまめにお手入れしていれば長く使える美しい建具のひとつです。

落ち着いた雰囲気を与える

障子を閉めて、柔らかい光の中で外の景色を楽しむことができる雪見障子。断熱性や遮光性といった障子の長所を生かしながらも、景色が見えないという障子の欠点を無くした優れたデザイン性を持っています。畳の上にゆったりと座りながら庭先を眺めれば、和の空間ならではの落ち着きや癒しを感じられるはずです。

デメリットを改善させる対策を

雪見障子は味わい深い景色を眺められる魅力がありますが、一方でガラスの性質による断熱性の低さやメンテナンスの難しさがあります。 「雪は綺麗だけど暖房が効かずに寒い」ということがないように、障子とガラスの二重構造がおすすめです。また子どもがいる家庭では、ガラスの代わりにアクリル板や樹脂ガラスを使用すると安全です。デザイン性だけでなく機能性にも優れた雪見障子で和の空間を楽しんでみてください。

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