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iemiru コラム vol.430

【連載】一級建築士目線の家づくり vol.2

これから家づくりをしようと考えている方は、夢のマイホーム実現に向けて心踊らせていますよね。 デザインや機能などの希望はたくさんあると思いますが、「住むこと」とは元来の意味から考えれば、「雨風をしのぎ、健全な環境に身を置くこと」です。つまり、「安心して住めること、安全に住めること」が何よりも根幹に置くべきテーマとなるのです。 そこで、この記事では、「安心安全な家づくり」をどのように考えていったら良いのかを、3つのテーマに分けて紹介したいと思います。 これらのテーマをしっかりと踏まえた上で、自分たちにあったデザインなどの付加価値を付け加えて、納得のいく家づくりをしてみてください。

テーマ1 災害に強い家

「災害は忘れた頃にやってくる」という言葉がありますが、「忘れもしない間に災害が襲ってくる」というのが最近の傾向です。 2018年9月には、大型台風が日本を縦断しました。道路等の冠水や空港に人が取り残された様子も記憶に新しいところです。 地震においては、2018年に起きた北海島胆振東部での地震や2016年に起きた熊本地震が甚大な被害を与えました。 この様な災害を目の当たりにして誰もが思うことは、「どのような災害が起きたとしても大丈夫な家であって欲しい」ということではないでしょうか? では、災害に強い家とはどのようなものなのでしょうか。ここでは、「地震」と「火事」という2大災害に関してご紹介していきます。

①地震に強い家

地震によって家が倒壊している光景は、ニュース等によって目に焼き付いているのではないでしょうか。これは、「地震の力に家が絶える事ができなかったことの結果」を表しているといえます。 住宅を始めとした建築は、建築基準法によって安全を担保されているわけですが、建築基準法は「最低限の安全」を担保しているに過ぎません。ここで、間違えてはいけないのは、建物が災害時に健全でいれる事を担保するのではなく、人命が助かるつまりは「避難する事ができるまでの状態を担保する」という立場にたっているということです。
このように考えれば自ずと、「建築基準法の内容は当然網羅していて、それ以上の性能を有していること」というのが、地震に強い家と言えるひとつの条件になるでしょう。
CM等で住宅のモデルハウスを地震実験で揺らしたりしている映像がありますが、これは建築基準法では必要のない性能を実現する為に、企業が行っている努力です。 地震に強い住宅の代名詞として、「耐震住宅」・「免震住宅」・「制震住宅」の種類があり、各メーカがそれぞれの性能を活かした住宅の研究開発を進めています。
ここでは3つの住宅の概要について紹介します。

耐震住宅

住宅の壁部分などに耐震壁という、地震に耐えうる壁を設置して、地震に抵抗するものです。この方法は一番簡易的なもので広く採用されています。

制震住宅

耐震壁の中に制震ダンバーという揺れを吸収する装置を設けたもので、耐震住宅よりも一歩進んだ、性能を発揮します。

免震住宅

地震は地面がゆれる事で建物に伝搬しますが、その伝搬を小さくする為に基礎部分に揺れを吸収する装置を設けています。

②火事に強い家

「火事に強い」ということも、建築基準法の中で法制化されています。
まず、都心部に多くみられるものとして、防火地域の制定や近隣からの延焼を防ぐ策について法制化されています。
住宅というテーマでキーワードになるのは、「準耐火構造」・「防火構造」という言葉になります。一般的に住宅は基礎、軸組、屋根、外壁等で構成されるのですが、外部からの火や内部からの火をこの「準耐火構造」や「防火構造」によって防ぐ役割をしています。
つまり、建物の外部や内部の構造がこれらに該当するものであれば、火事に強い建物であると判断する事ができます。
建築基準法的には、冒頭に紹介した防火地域等に入っていなければ、義務的にこういった構造にする必要はないのですが、火事に強い家にしたい場合は取り入れることをおすすめします。

テーマ2 防犯性が高い家

「日本は犯罪が少なく安全」というイメージ、いつのまにか薄れてしまったと感じませんか? 「家の鍵は締めずに外出」・「窓の鍵をかけずに網戸のまま寝る」といったことが普通の方もいたのではないでしょうか。
地域にもよることと思いますが、今の時代にこのような状態にしておくことは、泥棒に「入ってください」といっているようなもので大変危険です。
「家の中にある家財を守ること」・「身を守ること」も防犯性が高い家であれば実現可能です。 ここでは、防犯性が高い家にするポイントを紹介していきましょう。

①窓サッシを強化

何といっても、窓は一番の弱点になります。当然ですが、窓は開いていれば入れるし、閉まっていれば入れないものです。
防犯性を高めるには、2重ロック・防犯ガラス・防犯フィルム等を搭載する事が一番手っ取り早く有効な手段です。
一般的に、侵入者は鍵等のかかっている窓でも割って侵入しようとしますが、手間・時間がかかる場合はあきらめる傾向にあると言われています。手間・時間が掛かることで、近所の人の目に留まりやすくなるなどのリスクが高まるので、侵入者に狙われにくい家になります。

②防犯設備の設置

侵入者は外部からやってきます。やはり、外に防犯設備を設ける事は有効な手段の一つです。
具体的には、監視カメラの設置・センサーライトの設置・防犯砂利の敷設などが候補として挙げられます。
窓サッシの強化でも述べましたが、狙われにくくなるという意味で非常に有効です。

③警備会社に頼む

住宅設備ではありませんが、やはり警備会社のシステムをいれる事は非常に有効なものであると考えられます。他の方法よりも費用が高額になってしまうという点に注意しつつ、導入を検討してはいかがでしょうか。

テーマ3 健康に良い家

家は住む人の生活の根幹をつくるものであり、健康でいる為の基礎をつくる場所でもあります。多くの人が、1日の半分程は家の中で過ごすことになるでしょう。ゆえに、家の環境が悪ければ、体にも不調を起こすことは想像のつく話です。
ここでは、健康に良い家にするためのポイントをご紹介します。

①体に良い建材を使う

シックハウス症候群・ハウスダストという言葉、よく耳にしますよね。これは、家を建築する際に使われた建材に含まれる化学成分や家の中に飛散する粉塵を人が吸い込み、アレルギー症状などを発症する事象です。
これらを防ぐ対策として、近年では、“自然素材”の材料の使用が注目を集めています。今までの建材は化学薬品を使ったものがほとんどでしたが、自然素材は自然からとれる材料を原料としたもので、“人にやさしい”をポイントにしています。
自然素材の代表格として、「漆喰」があります。漆喰は以前の日本家屋では頻繁に使われていましたが、近年の自然素材ブームで再び注目されています。漆喰は、防カビ・防ダニ・防火に優れているといわれています。この他、調湿・消臭に優れた「珪藻土」も人気です。

②断熱効果の高い家

近年の異常気象、皆さんもご周知の通りかと思います。体を健全に保つ為にも、断熱効果の高い家はおススメです。
夏場などに家が熱くなり過ぎる事は熱中症のリスクを高めます。また、冬場の寒い時期に体に冷えてしまうことも良くありません。
そこで、冷暖房熱源を基本として、いかにその熱を効率よく蓄熱できるかがポイントになってきます。その有効な方法は、断熱材を存分に入れる事です。
断熱材の種類としては、

グラスウール

ガラスの短繊維を綿状にしたもので、一番安価です。

発砲ウレタンフォーム

ウレタン樹脂に発泡剤(フロンガス等)を加えて発泡させてつくられています。高価だが、少ない厚みで高い性能を発揮できます。

などがあります。

「ほっとする家」にしよう

安心安全というテーマでポイントを紹介させていただきました。
家づくりについて考えるとどうしても、デザイン性に優れたものなどに気持ちが行ってしまいがちです。しかし、何よりも大事にしておかなければならないポイントは、「安心安全」ということです。
デザイン等にお金や労力をかけ過ぎて、本来必要な点が疎かになってしまっては本末転倒です。 今は物が豊かな時代です。そんな時代だからこそ、「何が大事なのかをしっかり見極め、大事なポイントを見逃さないこと」が必要不可欠なのではないでしょうか。
安心安全で家族が、”ほっとする家”づくりを実現しましょう。

vol.3 はこちら

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