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iemiru コラム vol.66

南向きの家は日当たりが悪い!?巽向きの家づくりこそが最適である理由とは!

巽向きってどんな向き?

家づくりを考えるときに、家はどの方角に面していることが快適で心地良い暮らしができるのか、意識して考えていたことはありますか?南向きが最適だと当然のように思っていませんか?今回は、家の向きに焦点をあてて家づくりのポイントを紹介していきます。

巽(たつみ)向きとは、東南向きのことを指す

「巽向き」、聞き慣れない言葉だと思います。これは、古代中国から伝わる八卦を形成しているうちの一つで、真東より少し南寄りの東南を指しています。

巽向きの家は、全ての光が建物の二面に当たる

四角い家が真南を向いて建っているところをイメージしてみて下さい。太陽は東から昇り西へ沈んでいくので、太陽が昇り朝日が差し込んでくる間は、東面にしか光が当たりません。日中南からの採光は南面にしか光が当たりません。正午から日没までは西側しか光が当たりません。このことでわかるように、真南を向いた家は建物の一方向にしか光が当たらないことがわかります。 では、今度は四角い家が「巽向き」で建っているところをイメージしてみてください。東から昇った太陽の光が建物の二面に当たることが想像できると思います。このように、太陽光が東から差し込むとき、南から差し込むとき、西から差し込むとき、それぞれで建物の二面に光が当たることがわかります。

南向きの家を建てるべからず

太陽は常に移動していることを意識することが大切です。南向きにリビングをつくり、大きな開口部を設けることで明るい空間にしようとしたのに、実際は「昼間の数時間しか光が入らず、思ったほど明るい空間にならなかった。」など、残念な間取りにならないように、南向きのデメリットを見ていきましょう。

南向きは日当たりが悪い

南向きの家の反対面は北向きになってしまう

南向きの家は日当たりが良いと潜在的に思っている人も多いと思いますが、逆にいうと、北向きの家ともいえるのです。部屋ごとではなく家全体で考えたときに、南向きの家は、当然、日当たりの悪い北側にも空間をつくらなければならなくなります。

日本は北半球にあるため、北面は季節を問わず日当たりが悪い

日本は北半球にあります。日本の緯度では、真夏でも太陽は真上を通る軌道にはならず、常に南に傾いた軌道を通ります。なので、北面の日当たりは季節を問わず悪いままなのです。

太陽光の恩恵が受けられない

太陽光には、加熱による消毒の効果がある

天日干しで洗濯物やまな板などを殺菌できると聞いたことありますよね。太陽光に含まれる紫外線には殺菌効果があり、細菌が増えるのを抑えてくれるのです。

太陽光が当たらないと1年中湿っぽくなり、とくに冬場はジメジメしてしまう

太陽光による殺菌と乾燥ができないと、一年中湿度が高く細菌が繁殖しやすい状態が続くので、北面だけ汚れやすくなったりカビが発生しやすくなったりします。

「巽向き」の家がベスト

太陽の動きを意識して間取りを考えたとき、「巽向き」の家は南向きの家に比べて日当たりの良さや、太陽光の恩恵を受けやすい家になります。

採光率

南向きの家は、北側に光が当たらないため、採光率が75%にしかならない

正方形の家が建っているところをイメージしたときに、北面は太陽の光が当たらず、東面・南面・西面にのみ太陽の光が当たることがわかります。つまり、全体の25%に当たる北側の1面に日が当たらないので、採光率が75%になってしまうのです。

「巽向き」の家は、全ての光が建物に当たるため、採光率が100%になる

「巽向き」の家は南向きの家より30度程度斜めに振って家を配置することになるので、真北を向いた面がなくなります。そのため、全ての面に太陽の光が当たり採光率が100%となります。

南向きは生活が大変

北側にキッチンがある場合、夕方は暗くて寒い場所になってしまう

冬の寒い時期、晩御飯の準備のためにキッチンで作業しなければならないのに、その空間が暗くて寒いとそれだけで苦痛に感じてしまいます。できれば明るくて暖かい空間で快適に作業したいですよね。

「巽向き」なら全ての場所に日が当たるため、明るく暖かい場所になる

全ての場所に日が当たるようになると、もちろんキッチンも日が当たる空間にすることができます。採光率が高くなると設計の自由度が広がり、キッチン以外も快適で使いやすい空間にすることができます。

太陽の動きを知ろう

太陽光の取り入れ方で、その家の快適さは大きく異なります。太陽は1年を通して軌跡が変化するので、自分の土地や購入しようとしている住宅のどの方向から何時くらいに日差しを得ることができるのか、季節ごとに確認しておきましょう。

東から昇って西に沈む?

一番日が長い夏至は、真西ではなく北西から日が差し込んでくる

北半球で一年の中で最も太陽が出ている時間が長いのが夏至です。毎年6月21日頃が夏至となります。夏至の時期の太陽は、真西よりも北よりの北西方向に沈んでいきます。

一番日が短い冬至は、真東ではなく南東から日が差し込んでくる

夏至とは反対に、北半球で一年の中で最も太陽が出ている時間が短いのが冬至です。毎年12月22日頃が冬至になります。冬至の時期の太陽は、真東より南よりの南東から昇ってきます。

太陽光を意識した間取り

夏は、部屋が暑くなり過ぎないように北西の位置に窓を設けない

夏になると感じる西日の強烈さをご存知の方が多いのではないでしょうか。この強烈な西日を遮って部屋の暑さを和らげるために、午後から日差しが差し込んでくる北西の位置に窓を設けるのは避けましょう。

冬は、部屋が寒くなり過ぎないように南東の位置に窓を設ける

全体を通して日差しが少なくなる冬の時期にできるだけ太陽光を部屋の中に取り込めるように、どこから朝日が入ってくるのか確認しましょう。午前中から太陽光の熱を有効に使えるように東南の適切な位置に窓を設け、部屋が寒くなりすぎないようにしましよう。

東西南北のメリットとデメリットを比較

東西南北、それぞれの方角に向いているスペース、向いていないスペースがあります。メリット・デメリットを確認して、快適で使いやすい家づくりの参考にしていきましょう。

東向き

メリット

◆朝日がしっかりと差し込むため、午前中に洗濯物を干しやすい
早い時間から洗濯物を干す場合に適しています。日の出から正午頃まで日差しが望めるので午前中には洗濯物が乾くでしょう。洗濯物を早く終わらせたい場合は、東向きのスペースに洗濯物を干すことがおすすめです。 ◆朝に太陽光を浴びることで、体内時計がリセットされる
朝日を浴びると体内時計がリセットされ、体が活動状態に切り替わることがわかっています。休息状態と活動状態のスイッチがスムーズに切り替わることが、健康的な日常生活を過ごすことに役立ちます。

デメリット

◆午後以降は、一転して日当たりが悪くなる
洗濯物を午後から干すような生活スタイルの場合は向いていません。午前中の明るさはなくなり、空気もひんやりしてきます。

西向き

メリット

◆冬は日を最後まで取り込むことができる
日が暮れる夕方まで日差しが望めるので、照明器具を使わず過ごせる時間が長くなります。また、室内の気温の下がり方も緩やかになります。 ◆洗濯物を午後に干しても乾いてくれる
太陽光が当たるのは午後からなので、午前中に洗濯物をする時間がなくて、干す時間が遅くなったとしても乾いてくれます。

デメリット

◆夏は、午後だけ暑さが厳しくなる
夏の間は昼過ぎから太陽が西に傾き、日没までの長い時間日差しが降り注ぎます。そのため、西側だけ室温が下がりにくく暑さが厳しくなります。

南向き

メリット

◆日当たりが良いため、冬はポカポカと暖かい
冬の間の太陽は、夏に比べて低い位置で移動していきます。そのため日差しが部屋の奥まで届きます。そのため、部屋の空気を暖めることができ、ポカポカと暖かく感じることができます。

デメリット

◆夏は、一日中暑さが厳しくなる
南面は開口部を大きく設けることが多く日差しの影響を受けやすくなります。夏は気温が上昇する昼間の時間ずっと日差しが入り込むので、部屋の温度が高くなりやすい状態になります。

北向き

メリット

◆日当りが悪いため、夏は涼しくいられる
夏の間も日差しを受けることなく太陽光の熱の影響を受けにくいため、他の方位に面した部屋より涼しく感じることができる。 ◆日当たりの悪さから、他の向きと比べると割安である
採光の面では他の方位に比べて劣るので、分譲住宅の価格が割安になることが多くあります。

デメリット

◆日当たりが悪いため、カビが生えたりしてケアが大変になる
太陽光による乾燥や殺菌効果が望めないため、ジメジメしやすくなります。その結果、外壁が汚れたり、カビが発生したりする可能性が高くなります。日々のメンテナンスや事前の対策が必要になります。

南向きの家づくりは考えもの

南向きと聞くと明るくて暖かい家を想像してしまいますが、実際は一年を通して日の当たらない面があったり、夏の間は暑すぎる部屋ができてしまったり。必ずしも南向きがベストとはいえません。

採光率を考えると南向きよりも「巽向き」が良い

採光率が高いと、「日差しをたっぷり取り入れたい部屋」、「必要最低限の明るさを取り入れたい部屋」など日差しの取り入れ方をコントロールできるので、快適で過ごしやすい満足度の高い家つくりが可能になります。

日々の暮らしをイメージして方角を決めよう

どの方角にどんなスペースを持ってくるのかを決める手がかりは、その場所でどんな作業をするのか、どんなふうに過ごすのかを具体的にイメージしていくことです。方角を意識して、ライフスタイルに合った最適な間取りを考えて下さい。

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