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iemiru コラム vol.74

地震大国日本での家づくりに欠かせないのが免震構造だ!その仕組みに迫る!

地震対策に必要な家づくりとは?

日本ではこれまで大地震が発生するたびに、その地震規模に耐えられる以上の家づくりに向けて建築基準法の見直しが行われてきました。そうしたことから、日本の家づくりに対する地震対策の技術は、世界的に見ても非常に高いレベルと言えます。 特に、東日本大震災など大災害を目の当たりにしてきている昨今においては、家づくりにおける地震対策は必須といえる時代となりました。私たちが住んでいる日本は、世界的にも地震が多い国「地震大国日本」と言われています。日本に住んでいる限り、いつ・どこで大きな地震が起きても不思議ではありません。いつ起こるか分からない地震に対して、家づくりの段階からしっかりとした地震対策を検討しておくことは、もはや必然と言える時代となりました。

耐震・免振・制震で倒壊や損壊を防ぐ

地震による建物の倒壊や損壊を防ぐための対策として、家づくりにおいては「耐震」、「免振」、「制震」という3つの免震構造が存在しています。それぞれの免震構造は地震の揺れへの考え方やアプローチが全く違います。地震に強い家づくりを考える時に、「耐震」、「免振」、「制震」の3つの免震構造を理解しておくことは非常に重要なことといえます。

耐震構造とは?

耐震構造を簡単に言うと、「建物を強くし地震に耐える」という考え方の免震構造です。実際には、構造物に対して補強材を加えたり外壁に合板を取り付けたり、柱の間に筋交いを入れるなどして、建物そのもの自体の強度を上げることで地震の揺れに対応する工法です。現在の日本では、一般戸建て住宅の多くにおいて取り入れられている工法で、家づくりを考える際には必ず耳にすると思います。地震発生に対して強固な作りで対抗し、建物が倒壊などの被害にあわずに避難できるように考えられています。

メリット

建物の壁の量を増やしたり、柱などの接合部分の強度を上げたりするなど、比較的容易な工程で地震の揺れへ対応することができます。そのため、新築だけではなくリフォームなどの場合においても、簡易的に採用することができる免震構造となっています。

デメリット

《デメリット》 地震が繰り返し発生してしまうと、補強に使われている釘の穴や金具などが緩む可能性があり、耐震構造の要である「頑丈さ」を失うことがあります。また、地震の揺れを受け止めて耐える仕組みなので、建物の上層階にいくほど揺れの伝わりが大きくなるなどのデメリットもあります。

免振構造とは

「建物に揺れを伝えない(揺れを免除する)」という考え方が免振となります。構造的には、免震装置と呼ばれる設備を基礎と建物の間部分に設置します。そうすることで地震が発生した際に、この免震装置が地面から伝わってくる地震のエネルギーを吸収し、建物へ伝わる地震の揺れを軽減させる効果があり、建物内の人や建物を守るといった仕組みになります。 この工法では、基礎の部分と建物は接触せず、免振装置が建物を支えることとなります。地震が発生した際には、地震の影響を受けて基礎と免振装置は揺れますが、免振装置上部にある建物部分は地震に同調して揺れることがないため、揺れている間は基礎と建物は従来の位置からのズレが生じます。そのため、家づくりを考える際には配管などにおいては、このズレに対応している設備にしておく必要があります。 免震装置は、地震が発生した際に地震の揺れに合わせて建物をゆっくり移動させる「アイソレータ」と言われる装置と、地震の揺れを抑える「ダンパー」という装置の組み合わせで構成されています。アイソレータには「積層ゴム」、「すべり支承」、「転がり支承」などの種類があり、それぞれ材質は異なるものの地震の揺れを建物に伝えにくくする装置となります。また、ダンパーには「オイルダンパー」「鋼材ダンパー」「鉛ダンパー」などの種類があり、いずれの装置においても、地震を抑制する役目があります。 アイソレータは地震の揺れを建物に伝えにくくする役目はあるものの、地震の揺れを止める役目はありませ。一方で、ダンパーには建物を支える役目がありませんので、アイソレータとダンパーを合わせて設置することで、免振構造が実現されているという訳です。

メリット

地震の揺れに対して、免振装置が水平方向に移動してエネルギーを分散する構造のため、横揺れの地震には強さを発揮します。また、地震の揺れが一番大きい基礎部分と建物が免振装置により切り離されているため、建物に地震の揺れを伝え難いつくりとなっているので、建物の変形や破損などの被害が比較的抑制されるのも特徴といえます。さらに、免振装置において地震の揺れを吸収しきれない場合においても、建物自体には揺れをゆっくりと伝えるため、外壁や天井材などの構造材ではない部分の剥離や剥落、破損などの被害を防ぐことができます。

デメリット

免振装置は水平方向への揺れには強いものの、直下型地震など縦への揺れには対しては、その構造上、弱い傾向にあります。また、免震装置は建物が完成した後の定期点検が必要になるうえ、それに加えて大地震などが発生した場合は、免振装置が破損する可能性があるため、臨時的な点検が必要となります。さらに、長周期地震が発生した場合は、免振装置が共振してしまう可能性があり、免振装置が共振することで地震の揺れが増幅されてしまいますので、被害が増大することもあり得ます。また、免振装置設置にあたっては、装置自体のコストや配管設備に係る工事などが発生するので、一般的に工事費用は耐震や制震より高額となります。

制震構造とは?

制震は、「建物で地震の揺れを吸収(制御)する」という考え方に基づいた免震構造と言えます。建物の骨組みとなる筋交いや合板に重ねて振動軽減装置の「ダンパー」という制震装置を設置します。こうして、各箇所に設置された「ダンパー」により地震のエネルギーを吸収し、建物に対する地震の揺れなどの影響を最小限に留める構造です。 制震装置に用いられるダンパーには「オイルダンパー」、「鋼材ダンパー」、「制震パネル」などがあり、いずれの装置においても装置内で地震の揺れを吸収し、建物の揺れを抑える仕組みを備えています。一般的に、高層階になるほど地震の揺れは増幅しますので、高層階などで制震構造を取り入れると、揺れの抑制には高い効果が見込まれます。家づくりを考えるうえで、二世帯などの理由で高層階を視野に入れている場合などは制震構造も考えると良いでしょう。

メリット

振動軽減装置を構造内に設置することで、地震のエネルギーを吸収してくれるので、設置する位置や設置個数を増やすと地震強度を増加することができます。繰り返しの地震に対しても地震抑制効果が落ちることはありません。また、建物内で地震の揺れを吸収するため、地震による建物の変形を抑えることができます。さらに、地震の揺れが収まった後でも制振装置は建物の揺れに対して吸収を続けますので、建物の揺れをいち早く抑えてくれる効果もありますし、地震の揺れを増幅させない装置のため、建物の損壊や家具の転倒なども起こりにくくなります。

デメリット

大がかりな装置を取り付けなければならない免振構造に比べると施工費は抑えられているものの、耐震構造に比べるとコストは高めとなります。また、建物内部に設置された制振装置が劣化すると性能低下の恐れがあるため、定期的なメンテナンスとメンテナンス費用が必要となります。さらに、建物内部に設置する制震装置は構造計算から導き出された箇所に設置する必要があるので、家づくりの時などは間取りに制限が出る可能性もあります。

耐震×制震の組み合わせが人気

それぞれの免震構造において、地震に対するアプローチが違うことやメリット・デメリットが存在することはわかりました。ちなみに免振と制震は本来、家具の倒壊などを防いだりするなど、耐震の問題点を解消するために開発された技術です。最近では、耐震の問題点を補いながら制震構造で家を守る「耐震×制震」の組み合わせが評価を受けています。

免振は装置の規模が大きいことから、大きな建物に用いられる傾向

免振装置は、戸建て住宅などの小規模な建物よりもどちらかというとマンションや工場といった大規模な建物などに用いられる傾向があります。その理由としては、装置の上に建物を乗せるという免振装置は、装置の規模がどうしても大きくなってしまうため、設置するには広い土地を必要とするだけではなく、工事の難易度も上がってしまいます。 また、免振装置と建物が揺れに同調しないためには、建物の重量がある程度必要となり、戸建て住宅などでは建物の重量が比較的軽量なため、免振装置の効果があまり期待できないという側面もあります。さらに、免震装置はその装置だけではなく、配管設備などの対応が必要になるため、建築費用が5%から10%程度割高になってしまいます。

耐震×制震は免振と比べるとコストが掛からない

最近の戸建て住宅では、家を強くする「耐震」と揺れを吸収する「制震」の組み合わせである、「耐震×制震」という構造を取り入れるハウスメーカーが多く見られるようになりました。 家づくりを考える上でコストは大きな課題の一つです。「耐震×制震」は、免振構造のように大きな装置も必要ありませんし、配管設備などの配慮も特に必要としないことから施工も比較的難しくないため、免振に比べるとコストを抑えることができるというメリットがあります。

家の強度を高めて地震の揺れを吸収してくれるため安心感がある

この「耐震×制震」。制震装置が地震の揺れを吸収してくれますので、耐震構造のみで免震構造された家よりも揺れが少なくなり地震に対して安心感があります。耐震構造の強みである建物の崩壊を防ぎながら、なおかつ制震構造の強みである家具や壁などの損壊を防ぐ効果も期待できます。さらに耐震構造の弱みである「繰り返される地震」に対しても、制震構造により建物を元に戻す力が働くので建物の強度が低下することを防いでくれます。

命を守る家づくり

地震は今まで、「海溝型」と「内陸型」の二つに分類されると見られてきました。しかし、2016年に発生した熊本地震以降は、今までの分類では予期することのできない地震があることが課題となっています。今まで地震が少なかった土地柄だから地震の対策なんてしなくても良いのでは。といった考えがあるとすれば改めるべきです。家は自分と家族を守る場所。そして、その家を守るのは自分自身なのです。

耐震・免振・制震の違いを理解し、適切な住宅構造を選択しよう

家づくりにおいて地震に対応するための3つの免震構造を紹介してきました。どの構造においてもメリット・デメリットがあり、建物や土地の形状や広さ、地盤の違い、そして予算などの観点から取り入れられる免震構造も変わってくると思います。それぞれの違いを今一度よく理解して地域や家の構造にあった免震構造を選択しましょう。

耐震×制震の組み合わせでコストパフォーマンスを上げよう

戸建て住宅で費用対効果を考えた場合、一番おすすめなのが「耐震×制震」となります。この組み合わせはそれぞれの強みを生かしながら、施工も比較的容易なのでコストパフォーマンスに優れています。「地震大国日本」でこれからの人生を安心して暮らせる家づくりを考える際には、ぜひ参考にしてみて下さい。

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